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 Power Platformは現場の利用者が自らアプリケーションやサービスを構築できるようにする。Microsoft 365にライセンスが付属し、組み合わせて利用できる点も魅力だ。うまく活用すればとても便利であり、ここにきてようやく知名度が上がってきたという印象がある。しかしカバー範囲が広いためか、実際に業務に活用した事例は意外に見かけない。

 そこで筆者が所属するチームなどで実際に作った経験を基に、Power Platformの活用法を紹介していきたいと思う。こうすれば活用できるというのをつかんでいただけるとありがたい。

担当役員の1 on 1ミーティングを調整

 部門Xで担当役員が、部門メンバー約40人と1 on 1 ミーティングを行うことになった。担当役員の秘書Aさんがそのスケジュールを調整することになった。Aさんは他の予定を考慮して、ミーティングのアサインに無理がないようにスケジュールをアレンジし、また各メンバーの業務にも極力負担がないようにしないといけないと考えた。Power PlatformとMicrosoft 365を活用し、短期間にスマートに調整した。

 もしPower Platformを使わないで、ミーティング参加者の希望時間を募るとしたらどうするだろうか。よくあるのがExcelを使ってファイルを共有する方法だ。しかし、この方法には以下のようなデメリットがある。

  • 自分が希望する時間を1行入力するだけのために、自分の名前を探す必要がある
  • 列見出しから自分の入力行まで離れていて分かりづらい
  • 誤った更新ができてしまう(例えば他人の予定を上書きできてしまう)
  • 他人の希望日がつい気になって眺めてしまう
  • Excelの起動が必要で時間がかかる
  • そもそも「またExcelか」「何でもExcelな会社だ」と気持ちが萎える
  • 集計しやすそうだが、意外に整理に時間がかかる
Excelを使って多人数でデータを共有するのはいろいろと不便
Excelを使って多人数でデータを共有するのはいろいろと不便
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 予定を入力するメンバーからすると、「自分の希望日(可能日)を伝えるだけ」で、それ以外何の考慮も必要なく申請を済ませたい。各人の希望日を整理して、予定をアレンジするAさんとしても首尾よく予定を確定できるようにしたい。これがExcelでは実現できないのだ。