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 突発的で時間がない。必ずしも利用者は会社の中からアクセスするとは限らない。そんな難しい状況で、Power Platformを使ってアプリを開発した。2020年2月のことだ。

 新型コロナウイルスによる最初の緊急事態宣言より少し前である。テレワークか時差出勤かをExcelで管理しようということが急に持ち上がった。話を聞いていると隔週でその都度、Excelに入力し直すということだった。これはとても耐えられないと思って、大急ぎで最低限のニーズを満たすアプリとその監視画面を「Power Apps」と「Power BI」で作った。数カ月程度使うつなぎのアプリになればよいと思って作ったが、流行は第5波を数えるまでに続き、1年以上たつ現在も利用されている。登録レコードは数万件に達した。

テレワークのための管理システムを短期間で構築
テレワークのための管理システムを短期間で構築
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時間がない中でのアプリやBI作り

 実は筆者は2020年3月中旬に、身体の不調のため手術と入院を控えていた。「やるしかない」という気持ちで、約2週間でアプリを作成し、数日でBI(ビジネスインテリジェンス)の画面を作成した。これが数百人の全社員が使う、私のPower Appsの最初の社内リリースとなった。このアプリが社内で長きにわたり利用された理由には、以下の点が考えられる。

  • 会社貸与のスマートフォンでも利用できる
  • アプリを微修正した際のアップデートに時間がかからない
  • 利用に時間がかからない
  • 機能がシンプルである
  • 操作がシンプルで記録までに時間がかからない

 Power Appsで作成するアプリであれば、こうした条件を簡単に満たせる。もともと社内で利用する簡易的なアプリを必要な時に作れるとよいと考えていた。そのために社外の勉強会に参加したり、ネットのリソースで自習して試したりしたことが功を奏した。

Power BIで登録状況を可視化
Power BIで登録状況を可視化
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 Power BIではテレワークの登録状況を部署ごとに可視化した。こちらも貸与スマホで利用できる。

Microsoft 365のセキュリティーが適用される

 仮にPower Pltaformを使わずにこうしたアプリを実現するとしよう。一般的なスマホ用のアプリであれば、米Apple(アップル)や米Google(グーグル)のストアにアプリを登録しないと配布できない。社内のみで利用するにしても、アップルの開発者プログラムに登録し、社内サーバーからインストールできるようにするなどの準備に相応の手間と時間がかかる。アプリを作る開発者、配信環境を整え実行するIT担当者、それらを利用するユーザーが、それぞれ所定の手続きを踏まなければならない。

 これに対しPower Platformであれば、Power AppsやPower BI、Power Automateという大元のアプリを各自のスマホにインストールしておけばよい。大元のアプリはストアやMicrosoftの「Intune」のような、自社で利用しているMDM(Mobile Device Management)ツールを通じてインストールできる。