2040年に現在の2.5倍の100兆円市場を形成するとの見方もある宇宙ビジネスが、“本番”を迎えようとしている。米国の宇宙ベンチャーによる様々な取り組みが、これまでの官主導の宇宙開発の“常識”を大きく変えた。低軌道での人工衛星を活用した様々なサービスの提供から月や火星の探査・開発まで、ブルーオーシャンに飛び込む好機が訪れている。

乗り遅れるな、宇宙ビジネス
目次
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500gローバーで国内ベンチャーが独自「月ビジネス」、23年秋始動
重さが500gに満たない世界最小の月面探査車(ローバー)を使った、日本発の新しい“月ビジネス”が2023年秋に始動する。ロボット・宇宙系のベンチャー企業であるダイモン(東京・太田)が手掛ける月面実験プラットフォーム事業である。
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地球をぐるりの海の通信基盤、経済安全保障を軸に日本が主導
米中対立の深刻化をきっかけに重要度を増している経済安全保障。その最たるものが先端半導体の国内量産拠点の確立だが、対象となっている技術は他にもある。その1つが、政府が2022年に立ち上げた経済安全保障重要技術育成プログラム(K Program)にも選ばれた「衛星VDES(VHF Data Excha…
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「日本は勝てる可能性がすごく高い」、ホリエモンが見通す宇宙ビジネス
ロケット開発のスタートアップであるインターステラテクノロジズ(IST、北海道大樹町)は2023年1月24日、戦略説明会を開催し、国内初となる民間主導の大型ロケットの開発計画などを発表した。その説明会で行ったパネルディスカッションに、同社ファウンダー(創業者)のホリエモンこと、堀江貴文氏が登壇。
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インターステラが国内初の民間大型ロケット「DECA」開発へ、目指すはコスト1/10
ロケット開発のスタートアップであるインターステラテクノロジズ(IST、北海道大樹町)は2023年1月24日、戦略説明会を開催し、国内初となる民間主導の大型ロケット「DECA(デカ)」の開発計画に着手したと発表した。
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ispaceの月面着陸ミッション、11月28日に打ち上げ23年4月末に到着へ
宇宙関連事業を行うスタートアップのispace(東京・中央)は2022年11月17日、民間月面探査プログラム「HAKUTOーR」ミッション1の打ち上げ予定日時を、2022年1月28日午前3時46分(現地時間、日本時間は午後5時46分)に設定したと発表した。
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衛星開発・運用のハードル下げる新サービス、アクセルスペースが実証初号機
小型衛星開発のスタートアップであるアクセルスペース(東京・中央)は2022年10月13日、同年4月に発表した新サービス「AxelLiner(アクセルライナー)」の実証衛星初号機の詳細を、記者説明会で報告した。
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地上分解能0.8mに光衛星通信の採用、三菱電機が先進光学衛星を公開
三菱電機は2022年9月22日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)から受注し、同社が設計・製造した最新の光学衛星「だいち3号(ALOS-3)」の機体を報道機関向けに公開した。だいち3号は、陸域観測技術衛星「だいち」(2006~2011年)の光学ミッションを引き継ぐ地球観測衛星である。大型・高性能化し…
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民間初の月面着陸の称号なるか日本ベンチャー、最短で22年11月打ち上げへ
2022年11月、宇宙開発の歴史に名を残す可能性がある日本発のミッションがスタートする。宇宙系スタートアップのispace(東京・中央)が手掛ける「民間企業による無人月面着陸」である。
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ソニー宇宙通信機器子会社社長、「民生部品で迅速対応と量産性を追究」
ソニーグループは2022年6月3日、完全子会社の米国法人Sony Corporation of Americaが、光衛星通信事業を行う新会社「Sony Space Communications Corporation(以下、SSC)」を設立したと発表した。
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筑波大発ベンチャーが世界初の事業に挑戦、光衛星通信でデータ中継
光衛星通信端末を搭載したデータ中継衛星を使って地球低軌道に配備した衛星からデータを地上に伝送するサービスを開発する筑波大学発のベンチャー、ワープスペース(茨城県つくば市)は2022年5月31日、サービスを構成する初号機衛星を2024年冬~25年春に打ち上げて事業を開始する予定であることを発表した。
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年産数万台必要な光衛星通信端末で量産は必至、日本の技術にチャンスあり
「いかに“宇宙品質”を使わずにシステムを組み、安く小さく造れるかがカギになる」。2021年11月に開発が始まった情報通信研究機構(NICT)の委託研究「Beyond5G次世代小型衛星コンステレーション向け電波・光ハイブリッド通信技術の研究開発」を取りまとめる、衛星開発ベンチャーのアクセルスペース(…
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ソニーGが宇宙事業に進出、米国に光衛星通信の新会社
ソニーグループ(ソニーG)は2022年6月3日、完全子会社の米国法人Sony Corporation of America(以下、SCA)が、光衛星通信事業を行う新会社「Sony Space Communications Corporation(以下、SSC)」を設立したと発表した。
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「光衛星通信」実用化へ世界大競争、ロシアの極超音速兵器で米国が本気モード
「光衛星通信において、米国で壮大なフィージビリティースタディー(実現可能性の調査・検討)が始まった。最初のアプリケーションは安全保障だが、かつてのGPS(全地球測位システム)と同様、新たな市場を創造するための動きとみている」。
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ソニーが人工衛星で新事業、地上と宇宙の所望の場所を自由に撮影
「宇宙を解放する」。これまで宇宙飛行士や専門家・超富裕層など限られた人のみがアクセスできる場所だった宇宙を、一般の人たちに解放することを目指すソニーグループの新規事業が進展している。同社が「STAR SPHERE」と命名した、独自開発の人工衛星を活用したプロジェクトである。
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地上の水電解技術を月面で、ホンダが循環型再エネシステム
宇宙探査・開発編(2)
人工衛星とそれに向けた軌道上サービスの先に見えるのは、月や火星など深宇宙の探査と開発だ。長期的に様々な技術開発が求められるが、ビジネス的にはいまだブルーオーシャンである。ここに狙いを付け、先駆的に取り組む日本企業が多く存在する。その成果は地上での課題解決にも還元されていく。技術力とユニークな発想を…
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トヨタの月探査ローバー、過酷環境で1万km走破目指す
宇宙探査・開発編(1)
人工衛星とそれに向けた軌道上サービスの先に見えるのは、月や火星など深宇宙の探査と開発だ。長期的に様々な技術開発が求められるが、ビジネス的にはいまだブルーオーシャンである。ここに狙いを付け、先駆的に取り組む日本企業が多く存在する。その成果は地上での課題解決にも還元されていく。技術力とユニークな発想を…
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宇宙輸送にホンダも参入、日本勢は小型ロケットに活路
宇宙輸送編
小型人工衛星の打ち上げ数が増加し、今後、有人宇宙飛行や月探査なども活発化するとみられるなか、宇宙へ物や人を輸送する需要は確実に拡大する。米国では米SpaceXなどのベンチャー企業が宇宙輸送というインフラ掌握を狙い、輸送の高頻度・低価格化にまい進している。一方、日本はどうか。ホンダが参入を表明するな…
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スペースデブリ問題が深刻化、除去技術で日本が先行
スペースデブリ除去編
加速する民間企業の宇宙進出によって深刻化しているのが「スペースデブリ(宇宙ごみ)」問題である。現状では国際的なガイドラインは発表されているものの、明確なルール整備は進んでいない。そんななか、世界に先駆けて対策に取り組むのが日本企業だ。デブリ化を防ぐ搭載機構の技術開発や、能動的にデブリを除去する人工…
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ソニーCSLもISSで実証、実用化近づくGビット/秒級の衛星光通信
小型衛星開発編(2)
これまで“1品もの”が当たり前だった人工衛星の開発に、量産化の波が押し寄せている。日本では、今後急増することが予想されるコンステレーション(多数の衛星を協調動作させる運用方式、またはそれを構成する衛星群)に向けて衛星バスを汎用化したり、基幹部品を新規開発して製造の競争力を確保する動きが活発化してい…
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標準化の波が人工衛星にも到来、政府肝入りで「汎用バス」開発へ
小型衛星開発編(1)
これまで“1品もの”が当たり前だった人工衛星の開発に、量産化の波が押し寄せている。日本では、今後急増することが予想されるコンステレーション(多数の衛星を協調動作させる運用方式、またはそれを構成する衛星群)に向けて衛星バスを汎用化したり、基幹部品を新規開発して製造の競争力を確保する動きが活発化してい…