2040年に現在の2.5倍の100兆円市場を形成するとの見方もある宇宙ビジネスが、“本番”を迎えようとしている。米国の宇宙ベンチャーによる様々な取り組みが、これまでの官主導の宇宙開発の“常識”を大きく変えた。低軌道での人工衛星を活用した様々なサービスの提供から月や火星の探査・開発まで、ブルーオーシャンに飛び込む好機が訪れている。

乗り遅れるな、宇宙ビジネス
目次
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ソニーが人工衛星で新事業、地上と宇宙の所望の場所を自由に撮影
「宇宙を解放する」。これまで宇宙飛行士や専門家・超富裕層など限られた人のみがアクセスできる場所だった宇宙を、一般の人たちに解放することを目指すソニーグループの新規事業が進展している。同社が「STAR SPHERE」と命名した、独自開発の人工衛星を活用したプロジェクトである。
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地上の水電解技術を月面で、ホンダが循環型再エネシステム
宇宙探査・開発編(2)
人工衛星とそれに向けた軌道上サービスの先に見えるのは、月や火星など深宇宙の探査と開発だ。長期的に様々な技術開発が求められるが、ビジネス的にはいまだブルーオーシャンである。ここに狙いを付け、先駆的に取り組む日本企業が多く存在する。その成果は地上での課題解決にも還元されていく。技術力とユニークな発想を…
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トヨタの月探査ローバー、過酷環境で1万km走破目指す
宇宙探査・開発編(1)
人工衛星とそれに向けた軌道上サービスの先に見えるのは、月や火星など深宇宙の探査と開発だ。長期的に様々な技術開発が求められるが、ビジネス的にはいまだブルーオーシャンである。ここに狙いを付け、先駆的に取り組む日本企業が多く存在する。その成果は地上での課題解決にも還元されていく。技術力とユニークな発想を…
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宇宙輸送にホンダも参入、日本勢は小型ロケットに活路
宇宙輸送編
小型人工衛星の打ち上げ数が増加し、今後、有人宇宙飛行や月探査なども活発化するとみられるなか、宇宙へ物や人を輸送する需要は確実に拡大する。米国では米SpaceXなどのベンチャー企業が宇宙輸送というインフラ掌握を狙い、輸送の高頻度・低価格化にまい進している。一方、日本はどうか。ホンダが参入を表明するな…
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スペースデブリ問題が深刻化、除去技術で日本が先行
スペースデブリ除去編
加速する民間企業の宇宙進出によって深刻化しているのが「スペースデブリ(宇宙ごみ)」問題である。現状では国際的なガイドラインは発表されているものの、明確なルール整備は進んでいない。そんななか、世界に先駆けて対策に取り組むのが日本企業だ。デブリ化を防ぐ搭載機構の技術開発や、能動的にデブリを除去する人工…
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ソニーCSLもISSで実証、実用化近づくGビット/秒級の衛星光通信
小型衛星開発編(2)
これまで“1品もの”が当たり前だった人工衛星の開発に、量産化の波が押し寄せている。日本では、今後急増することが予想されるコンステレーション(多数の衛星を協調動作させる運用方式、またはそれを構成する衛星群)に向けて衛星バスを汎用化したり、基幹部品を新規開発して製造の競争力を確保する動きが活発化してい…
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標準化の波が人工衛星にも到来、政府肝入りで「汎用バス」開発へ
小型衛星開発編(1)
これまで“1品もの”が当たり前だった人工衛星の開発に、量産化の波が押し寄せている。日本では、今後急増することが予想されるコンステレーション(多数の衛星を協調動作させる運用方式、またはそれを構成する衛星群)に向けて衛星バスを汎用化したり、基幹部品を新規開発して製造の競争力を確保する動きが活発化してい…
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火星探索と超高速旅客機、SpaceXに見る巧妙な将来戦略
寄稿:海外動向編(2)
米国を中心に起きている宇宙産業の破壊的イノベーション。その主役は、Elon Musk氏とJeff Bezos氏という2人のカリスマ経営者だ。特にMusk氏のSpaceXの勢いはすさまじい。海外における有力宇宙ベンチャーによるイノベーションの実態と今後について、宇宙ビジネスのコンサルティングなどを手…
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マスクとベゾス、2人の破壊者が仕掛ける宇宙イノベーション
寄稿:海外動向編(1)
米国を中心に起きている宇宙産業の破壊的イノベーション。その主役は、Elon Musk氏とJeff Bezos氏という2人のカリスマ経営者だ。特にMusk氏のSpaceXの勢いはすさまじい。海外における有力宇宙ベンチャーによるイノベーションの実態と今後について、宇宙ビジネスのコンサルティングなどを手…
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ソニー、トヨタも参入 地球低軌道と月に「巨大経済圏」
総論(2)
米国のベンチャー企業による民間宇宙旅行の商業化は、宇宙ビジネス本番への号砲だ。今後、これまでとは比較にならない数のモノ(人工衛星)とヒトが宇宙に輸送され、2040年に100兆円とも言われる巨大市場を形成する。キーワードは「衛星コンステレーション」と「月」。月面探査での先行者利益を狙う民間企業の競争…
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SpaceXが過去の“常識破壊”、宇宙ビジネス参入に好機到来
総論(1)
米国のベンチャー企業による民間宇宙旅行の商業化は、宇宙ビジネス本番への号砲だ。今後、これまでとは比較にならない数のモノ(人工衛星)とヒトが宇宙に輸送され、2040年に100兆円とも言われる巨大市場を形成する。キーワードは「衛星コンステレーション」と「月」。月面探査での先行者利益を狙う民間企業の競争…