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 「宇宙を解放する」。これまで宇宙飛行士や専門家・超富裕層など限られた人のみがアクセスできる場所だった宇宙を、一般の人たちに解放することを目指すソニーグループの新規事業が進展している。同社が「STAR SPHERE(スタースフィア)」と命名した、独自開発の人工衛星を活用したプロジェクトである(以前の呼称は「宇宙感動体験事業」)。

 同社は2022年1月13日、報道陣に対して同事業の進捗や事業化の計画を説明するとともに、1月初頭に米国で開催されたテクノロジー見本市「CES 2022」で初公開した超小型衛星のモックアップを展示した。

開発した人工衛星のモックアップ。サイズは6U(33cm×20cm×10cm)。同社製のズームレンズ付き4Kカメラを内蔵する。民生品だが、耐熱性や真空対応など宇宙仕様にカスタマイズしているという。
開発した人工衛星のモックアップ。サイズは6U(33cm×20cm×10cm)。同社製のズームレンズ付き4Kカメラを内蔵する。民生品だが、耐熱性や真空対応など宇宙仕様にカスタマイズしているという。
(写真:日経クロステック)
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人工衛星を反対側から見たところ。
人工衛星を反対側から見たところ。
(写真:日経クロステック)
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 このプロジェクトは同社内の有志の議論から始まった。17年から草の根的な活動が始まり、20年5月に事業化へ向けて組織が発足した。ただし、同社内の閉じたプロジェクトではなく、オープンイノベーション型で、東京大学、JAXA(宇宙航空研究開発機構)とともに衛星の開発を進めてきた。