全2050文字
PR

 コロナ禍以前、ビジネスシーンの出会いは対面が主流でした。顧客との打ち合わせや商談のために訪問先まで足を運び、紙の名刺を交換し会話に入る。それが現在では社内外を問わずオンライン会議が中心に変わりました。

[画像のクリックで拡大表示]

アナログとデジタルのデータを共存させれば、あらゆる“つながり”を組織で共有できるようになる

 オンライン会議は、移動時間や会議室を予約する手間が要りません。場所を選ばず、いつでもコミュニケーションできるため、スケジュールを合わせやすい。ビジネスのスピードを上げる意味ではチャンスが生まれています。

 しかし、すべての出会いがオンラインに変わったわけではありません。

アフターコロナの交流はオフライン×オンラインが前提に

 当社の調査で興味深い事実が明らかになりました。コロナ禍で、対面での名刺交換枚数は全体としては減少傾向ですが、細かく見ると月当たりの交換が11~20枚の層は横ばいで、同じく1~5枚の層は増加といった結果が出ています。一定数の名刺交換が継続され、対面というオフラインの文化は残っているわけです。名刺を交換するのは、初対面に近い相手との接点でしょう。この行為は、オフラインでなければ成立しないコミュニケーションがあるという認識の現れだと思います。

 こうした状況で、すべてをオンラインに置き換えようとすれば弊害が生じます。当社の調査では「オンライン化によってビジネス機会を損失した」、または「損失が発生しそうだ」との回答が77%に上りました。リモートワークの課題に関する質問では「社内外のコミュニケーションが希薄化した」という声が最も多かったのです。アフターコロナの世界は、完全にオフラインに戻ることはないでしょうが、といってすべてがオンライン化するわけでもない。

 これからのビジネスのつながりはオフライン×オンラインが前提になります。2つの混在環境でビジネスが成り立つよう、どちらにも対応できるハイブリッドな働き方へのシフトが必要になるわけです。

あらゆるつながりに対応しアナログの情報も取りこぼさない

 ハイブリッドな働き方を実現するには、ビジネスシーンのあらゆる“つながり”への対応が重要です。つながりには2つのタイプがあります。

 1つは「弱いつながり」です。ある人から別の人を紹介されるなど広がりが期待でき、新しい情報も得られやすい。たまにしか会わないような緩い関係ですが、永続性があります。2つ目は「強いつながり」で、内輪と言われるような親密な関係です。同質の情報が交わされがちで関係性の広がりはあまり期待できませんが、連絡や情報交換が頻繁に行われ、気心が知れているので暗黙知も伝わりやすい。

 どちらが良い悪いという話ではありません。ハイブリッドな働き方へシフトしていく中で、両方のつながりを維持することが大切です。それには両方の顧客や取引先のデータが一元管理できる仕組みが欠かせません。せっかくのつながりも維持しなければ、途切れてしまいます。

 ビジネスの現場には紙の書類や契約書、請求書、名刺などアナログな情報が残っています。アナログの情報は適切に管理できていなければ埋もれてしまいます。社内の誰かがデータを持っていても一元化されていなければ、組織としての活用は進みません。

 デジタル化だけに目を向けるのではなく、アナログ情報の発生を前提にデータを蓄積する必要があります。アナログとデジタルを共存させ、ステークホルダーを誰一人取り残さない――。ハイブリッドな働き方を考える上で、重要なポイントです。

デジタル一辺倒でない自社の対応が取引先のDXを進めるきっかけに

 当社はこうした要求に応えるソリューションを提供しています。クラウド名刺管理サービス「Sansan」はその1つです。受け取った紙の名刺をオンラインで一括管理でき、7000社以上に活用されています。名刺アプリ「Eight」を活用すれば、スマートフォンで名刺を撮るだけでクラウドにデータを保存し、いつでも必要な名刺情報にアクセスできます。

 クラウド請求書受領サービス「Bill One」は、請求書データの一元管理が可能です。紙の請求書をデジタル化してオンラインに取り込むことができ、取引先や顧客がアナログな業務フローでも問題なく受領できます。

 デジタル一辺倒ではなく、アナログなフローにもハイブリッドに対応する。そうすれば、相手のやり方がどうであっても、例外なしにDXを進められるでしょう。もし取引先がメリットに気付けば、自分たちもデジタル化しようという機運が高まります。ステークホルダー全体のデジタル化が進めば、ビジネス変革が加速していくでしょう。

 ハイブリッドな働き方で得る新たな“つながり”を守り、活用する。Sansanはこの実現を支えるサービスの提供を通じ、アフターコロナを見据えたビジネスの発展に貢献していきます。

本記事は2021年8月18日~20日にオンライン開催された「IT Japan 2021」のリポートです。