米Apple(アップル)が新しい14インチMacBook Proと16インチMacBook Proを発表した。M1 ProまたはM1 Maxという驚くほど高性能なチップを搭載しており、ディスプレーには最近話題のミニLEDを採用している。ウイークポイントがあまり見当たらず、その名の通り「プロ」向けのMacBookとして注目を集めそうだ。
僕は10月19日に開催されたイベントにおける発表内容とスペックを見て、この新しいMacBook Proに感嘆の声をあげてしまった。どこがすごいと感じたのか、以下に述べたい。
M1アーキテクチャーの昇華
まず注目したいのはMacBook Proが搭載するパワフルなチップ、M1 ProとM1 Maxだ。
アップルのM1を初めて搭載したMacは、2020年11月に発売された。M1は、英Arm(アーム)の技術をベースにしてカスタマイズされたSoC(システム・オン・チップ)だ。5nmのプロセスで製造されたもので、スマホやタブレット向けのSoCをパソコン向けに進化させたと考えればよいだろう。
小型で高性能かつ省電力性の高いM1は、驚くほどの性能と駆動時間、そして手ごろな価格を例えばMacBook Airにもたらした。僕自身M1を搭載したMacBook Airを購入して使っているが、確かに性能は素晴らしい。
そのM1アーキテクチャーを昇華させたのが、M1 ProとM1 Maxである。M1 Proは最大10コアのCPUと16コアのGPUを搭載。メモリー帯域幅は最大200Gバイト/秒である。上位のM1 Maxは10コアのCPUと32コアのGPUを搭載し、メモリー帯域幅は最大400Gバイト/秒となっている。
アップルのWebサイトには、M1 Pro/M1 Max搭載MacBook Pro(14インチと16インチ)と以前のMacBook ProのCPUパフォーマンスおよびGPUパフォーマンスをアプリケーションごとに比較した表が用意されている。
これによると、CPUパフォーマンスは米Intel(インテル)の Core i7搭載13インチMacBook ProやCore i9搭載16インチMacBook Proと比べて1.7~3.7倍、GPUパフォーマンスはIntel Iris Plus搭載 13インチMacBook ProやRadeon Pro 5600M(8GB HBM2)搭載16インチMacBook Proと比べて1.4~13.4倍になるという。2倍、3倍という数値が当たり前のように並んでいる。
アップルは、M1 Proは最大20ストリームの4Kビデオ(いずれもProResコーデックを使用)を再生するといい、M1 Maxは最大7ストリームの8Kビデオ(同)を再生できると説明している。MacBook Airでは対応する外付けディスプレーが1台だったが、M1 ProまたはM1 Maxを搭載したMacBook Proはそれぞれ最大2台、最大3台の外付けディスプレーに対応する。