全696文字
PR

[今回の回答者]パナソニック コーポレート戦略・技術部門 事業開発室 IoTPLCプロジェクト 主幹技師 松尾 浩太郎

(イラスト:岸本 ムサシ)
(イラスト:岸本 ムサシ)
[画像のクリックで拡大表示]

 PLC(Power Line Communication)は、電力を供給するための電線(電力線)を通信回線として使う技術です。住戸やビルなどに既に設置されている電力線を使うので、「PLCアダプター」と呼ばれる機器をコンセントに差し込むだけで通信ができます。また無線通信のように障害物に邪魔されることもありません。

 PLCアダプターとパソコンなどの通信機器はLANケーブルで接続します。データを送信する側のPLCアダプターは、電力線を流れる電力の信号にデータ通信の信号(情報信号)を重ね合わせます。受信側のPLCアダプターは、重ね合わせた信号から情報信号を取り出します。これで電力線を通じたデータの送受信が可能になります。

 PLCは使用する周波数帯域によって大きく2種類あります。1つは10k~500kHzの周波数帯を使う「低速PLC」です。伝送速度は数k~数百kビット/秒程度と低速ですが、1kmを超える長距離の通信が可能です。スマートメーターや照明の制御などに使われています。

 もう1つが2M~100MHz(日本は30MHzまで)の周波数帯を使う「高速PLC」です。こちらは通信距離は短くなりますが、伝送速度は高速です。

 例えば、高速PLCの通信規格の1つである「HD-PLC」では、通信距離が数百メートル程度、伝送速度は数十M~1Gビット(日本は数百Mビット)/秒程度になります。こうした高速性を生かして、監視カメラの映像伝送などに使われています。

(聞き手=中島 募)