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[今回の回答者]ネットワンシステムズ カスタマーサービス本部 ファシリティ技術部設計チーム シニアエキスパート 矢野 雅裕

(イラスト:岸本 ムサシ)
(イラスト:岸本 ムサシ)
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 停電の際、最も影響が懸念されるのは、サーバーのハードディスクに保存したデータです。ハードディスクは電力の供給が突然止まると、物理的に壊れる危険があるからです。そうなるとデータを復旧できなくなります。

 サーバーと異なり、ネットワーク機器が停電で故障する可能性はほとんどありません。したがってネットワークにおける停電対策は、サーバーのデータをどう守るかにかかってきます。

 停電になっても電力供給を突然止めないようにすれば、ハードディスクの破損を防げます。そのために有用なのがUPS(無停電電源装置)です。

 簡単に言えば、UPSは蓄電池に蓄えた電力を使って、商用電源相当の電力を出力する装置です。UPSを使えば、停電してもサーバーに電力を供給し安全にシャットダウンする時間を稼げます。

 蓄電池を使うので、UPSが電力を供給し続けられるのは停電から5、6分程度です。そのため、その間にサーバーを安全にシャットダウンする必要があります。

 停電時にサーバーを自動でシャットダウンするUPSもあります。サーバーにはUPSの管理エージェントをインストールしておきます。

 商用電源からの電力が消失した場合、UPSは蓄電池からの電力供給に切り替えるとともに、そのことを管理エージェントに通知します。すると管理エージェントは、UPSの電力が供給されている間にサーバーをシャットダウンします。

(聞き手=大川原 拓磨)