衛星インターネットは、人工衛星を介した通信技術である。離島や山岳地など固定回線の敷設が難しい場所からでもインターネットに接続できるようにする。
インターネットと端末をつなぐには通信回線が必要である。オフィスや家庭であれば有線の固定回線をつなぐのが一般的だった。それがスマートフォンなどの携帯端末によりモバイル通信が可能になった。モバイル通信では端末と基地局が電波を送受信して通信回線を確立する。基地局には固定回線がつながっていて、これでインターネットにアクセスする。
したがって基地局は固定回線を引ける場所に作られる。固定回線を引けない場所は基地局から離れているので電波が届きづらい。こうした場所では通信ができなかったり、不安定になったりする(PICT1)。
衛星インターネットでは、専用端末を使って人工衛星と電波を送受信する。衛星は理論上、地球全土を網羅できるため世界中のどこからでもインターネットに接続できるようになる(PICT2)。
衛星は端末とインターネットの仲介役となる。すなわち端末が送信する電波を衛星が受信し、それを地上の衛星基地局に中継する。衛星基地局がインターネットに接続しているため、衛星を介して接続できるようになる。
衛星インターネットはBCP(事業継続計画)の手段としても注目されている。自然災害などで地上のネットワークが切断されても、アンテナを設置すればインターネットに接続できるからだ。
ただしインターネットに接続しているのは地上にある衛星基地局である。つまり地上の衛星基地局に障害などが発生すると、インターネットに接続できなくなる。