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[今回の回答者]
日本インターネットエクスチェンジ 代表取締役社長 山添 亮介

(イラスト:岸本 ムサシ)
(イラスト:岸本 ムサシ)
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 インターネットは、いくつものLANがつながって形成されています。家庭や企業の先にあるインターネット接続事業者(ISP)の網もLANであり、ISPの網同士が接続し合っています。このため異なるISPの利用者同士でも、複数のISPを経由することで通信できます。

 しかし経由するISPの数が増えると通信の遅延が大きくなり、帯域の制約も受けやすくなります。

 逆に言えばISP同士が直接つながっていれば、安定した品質で通信できます。とはいえ、ISP同士がそれぞれ直接つながるのは現実的ではありません。接続に必要な回線の数が膨大になり、コストが高くつくからです。

 そこで、1カ所の通信施設に多数のISPが回線を接続することで、相互接続する方法が考え出されました。

 このように、多くのISPの回線が集まる通信施設のことを「インターネットエクスチェンジ(IX)」と呼びます。複数のISPがトラフィックを交換する乗換駅のようなものです。具体的には、レイヤー2スイッチを用いて各ISPのルーターを相互に接続してトラフィックを交換します。日本国内では「JPIX」「JPNAP」「BBIX」「EIE」などが代表的です。

 IXが登場した当初はISP同士の接続が中心でしたが、近年ではSNS(Social Networking Service)やゲーム、映像配信といったコンテンツ事業者や、コンテンツ配信ネットワーク(CDN)の事業者などもIX経由でISPと接続しています。

(聞き手=中島 募)