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[今回の回答者]
NTTドコモ ネットワーク本部 無線アクセスネットワーク部 エリア品質 品質企画担当 山田 太郎 大塚 陽平

(イラスト:岸本 ムサシ)
(イラスト:岸本 ムサシ)
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 スマートフォンなどの携帯電話端末は、基本的に1つの無線基地局とデータをやりとりします。携帯電話の基地局と端末が通信できる距離は、一般的に数百mから数kmまでです。つまり、広くても半径数kmの範囲になります。この範囲を「セル」と呼びます。

 ユーザーが移動してセルの外側に近づくと、基地局からの電波の強度が次第に弱くなります。そしてセルの外に出てしまうと、電波が届かなくなります。このままだと通信が途切れてしまいます。そこで通信を継続できるよう、別の基地局へと通信先を切り替えるのです。

 これを「ハンドオーバー」と呼びます。リレーのバトンのように基地局から基地局へと端末が引き継がれていくことで、通信が続けられるわけです。

 例えば端末がAという基地局と通信をしていたとします。受信電波が弱くなってくると、端末はほかの基地局の電波強度を測定し、測定結果を基地局Aに逐次報告します。基地局Aはこの情報に基づいて、端末の切り替え先の基地局をあらかじめ決めておきます。

 端末の受信電波がさらに弱くなってくると、端末に切り替えを指示します。基地局Aは同時に、通信の遅延や途切れが起きないように「データのやりとりがどこまで行われたか」といった情報を切り替え先の基地局に転送します。携帯電話のネットワークでは、このように基地局側で切り替えを制御して、スムーズなハンドオーバーを実現しています。

(聞き手=中島 募)