[今回の回答者]シスコシステムズ カスタマーエクスペリエンス カスタマーサクセススペシャリスト 川田 俊也
ループとは、イーサネットのLANを環状/輪状につなぐことです。ループになると、ブロードキャストフレームがLAN内で回り続けて増えてしまいます。この現象は「ブロードキャストストーム」と呼ばれ、通信に支障を来します。
こうしたトラブルを回避するため、最近ではループを検出できるネットワーク機器が増えています。ベンダーや機種によって異なりますが、大別すると3つの検出手法があります。
1つめがMAC(Media/Medium Access Control)アドレスを利用する手法です。LANスイッチではポートと受信フレームの送信元MACアドレスの対応関係を記録しています。ループになると、送信元が同じMACアドレスのフレームが別々のポートに届くようになります。これによりポートとMACアドレスの対応関係が頻繁に更新されます。この状態をMACアドレススラッシングと呼び、これを基にループを検出します。
2つめは専用フレームを用いる手法です。ループを検出する専用フレームをネットワークに送出します。LANスイッチが送出した専用フレームが戻ってきたら、ループが発生したと見なします。
3つめは処理フレームの量で検出する手法です。ループの状態ではブロードキャストストームによってLANスイッチが処理するフレーム量が急増します。LANスイッチにしきい値を定めておき、処理するフレーム量がしきい値を超えたらループが発生したと判断するようにします。
(聞き手=安藤 正芳)