[今回の回答者]トレンドマイクロ セキュリティエバンジェリスト 岡本 勝之
ダークウェブは、特殊なツールやWebブラウザーを使わないとアクセスできないWebサイトやインターネット空間を指します。
これに対してGoogleなどの検索エンジンから到達できる一般的なWebサイトをサーフェス(表層)ウェブと呼びます。また、パスワードで保護したりDNS(Domain Name System)を制御したりすることで検索エンジンで見つからないようにしているWebサイトはディープ(深層)ウェブといいます。このディープウェブの一部がダークウェブです。
ダークウェブは、匿名化技術を使って誰がアクセスしたのかを把握しにくいようにしています。利用者の匿名性が保たれるので、非合法な商品や情報を売買する場となっています。例えば流出した個人情報やクレジットカード番号がやりとりされていたり、違法ドラッグなどが売買されていたりします。
ダークウェブで利用される匿名化技術の1つがTor(トーア)です。Torでは、アクセス元を特定できないように多くの中継サーバーを経由して暗号化通信します。また、Torブラウザーなど特殊なソフトウエアを使わなければアクセスできません。
Torを利用すればアクセス元を秘匿できます。ただしTorブラウザーが送信するパケットを取得すれば、Torを使っていること自体は分かります。正規の目的でTorを利用することはまれなので、Torによるアクセスを見つけたらネットワーク管理者は注意したほうがよいでしょう。
(聞き手=安藤 正芳)