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 災害に遭遇した際、目の前の状況に対して適切に行動し、自分や家族を守らなければならない。そうした行動でパソコンやスマートフォン(スマホ)を活用するのが「デジタル防災」だ。普段からの備えの有無が、いざというときの運命を左右する。さあ、デジタル防災を始めよう。

 運悪く被災してしまった場合でも、やるべきことはたくさんある。安全な場所の確認や家族・知人の安否、災害状況のチェックなどだ。

 多くの情報を収集するにはインターネットが欠かせない。災害時において、インターネット回線の確保は死活問題となる。そんな、もしものときに備えて、回線として設定しておきたいのが「公衆無線LAN」だ。

通信回線を確保する

 災害時には「00000JAPAN」(ファイブゼロジャパン)という公衆無線LANが開放される。「00000JAPAN」という統一のSSIDに接続することで、災害時は誰もがインターネットに接続し、必要な情報を入手できる(図1)。この00000JAPANは、Wi-Fiに接続できる端末であれば使用できるが、通信は暗号化されない。

「00000JAPAN」につなぐ
「00000JAPAN」につなぐ
図1 Wi-Fiの設定画面を開き「00000JAPAN」のアクセスポイントに接続しよう。災害時には無料で開放される公衆無線LANで、パソコンのほか、スマホ、タブレットなどでも利用できる
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 00000JAPANのアクセスポイントが見つからない場合、持っているスマホが対応していれば、テザリングを使う方法もある(図2)。BluetoothやWi-Fiなどでテザリングすれば、ケーブルがなくてもパソコンやタブレットをネットワークに接続できる。

スマホでテザリングの準備をする
スマホでテザリングの準備をする
図2 「設定」アプリを開き「インターネット共有」→「ほかの人の接続を許可」の順にタップ。必要に応じて「Wi-Fiのパスワード」を設定しておく(画面はiPhoneの例)
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 ただし、Bluetoothは、省電力だが通信速度が低速。メールやメッセージのやり取り用と割り切ろう(図3図4)。Wi-Fiは高速で多くの端末をネットワークに接続できるが、バッテリー消費が激しい(図5)。環境によってはチャンネルが混み合う可能性もある。

Bluetoothテザリングをする
Bluetoothテザリングをする
図3 あらかじめパソコンとiPhoneをペアリングしておき、テザリングするiPhoneと接続しておく。テザリングする際はタスクバーのBluetoothアイコンを右クリックし、「パーソナルエリアネットワーク」に接続する
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図4 「デバイスとプリンター」を開き、テザリングしたいiPhoneを右クリックし、アクセスポイントとして接続する。接続されれば、パソコンですぐにテザリングできる
図4 「デバイスとプリンター」を開き、テザリングしたいiPhoneを右クリックし、アクセスポイントとして接続する。接続されれば、パソコンですぐにテザリングできる
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Wi-Fiでテザリングする
Wi-Fiでテザリングする
図5 WindowsのWi-Fi設定画面を開き、iPhoneに接続する。画面ではアクセスポイント名が「iPhone X」だが、設定によって任意の名前を設定可能
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