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 ダイハツ工業とトヨタ自動車は、2021年11月1日に発売した小型SUV(多目的スポーツ車)の新型「ロッキー/ライズ」に、シリーズ式ハイブリッド機構を搭載するハイブリッド車(HEV)を設定した。同車はハイブリッド機構やリチウムイオン電池パックなどを積むため、ガソリンエンジンの先代車に比べて、車両質量が80kg以上重くなった。

 新型ロッキー/ライズ(以下、新型車:トヨタは部分改良車と呼ぶ)は先代車と同様、ダイハツの車両設計・開発手法「DNGA(Daihatsu New Global Architecture)」に基づくプラットフォーム(PF)を適用した。ただ、車両質量が重いHEVの場合、先代車と同じボディー骨格では、衝突安全に対応するのが難しい。そこで、新型車ではボディー骨格の一部を改良して、前面衝突や側面衝突に対応した(図1)。

新型ロッキーのボディー骨格
図1 新型ロッキーのボディー骨格
(撮影:日経Automotive)
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 新型車のHEVはシリーズ式ハイブリッド機構をエンジンルーム内に、リチウムイオン電池パックを後席の床下に搭載する。車両質量が増えたことによる衝突荷重の増加への対応や、リチウムイオン電池パックを衝突時の衝撃から守るため、「新型車のボディー骨格には2つの改良を加えた」(ダイハツ新興国小型車カンパニー本部でECC製品企画部主任を務める勢村勇希氏)と言う。

 第1の改良では、電池パックの前後に2本のフロア・クロス・メンバーを追加した。これにより、側面衝突の衝撃荷重を逃がすロードパス(荷重の伝達経路)を増やした。前部フロア・クロス・メンバーには引っ張り強さが440MPa級の高張力鋼板、後部のフロア・クロス・メンバーには590MPa級の高張力鋼板を使った。それぞれのフロア・クロス・メンバーには補強材も入れた。この補強材は、980MPa級の高張力鋼板である(図2)。

電池パック周りの改良点
図2 電池パック周りの改良点
(日経Automotiveが作成)
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 第2の改良点は、前面衝突の衝撃から電池パックを守るため、車両の前後を貫くフレームを2本追加し、ロードパスを増やしたことである。追加したフレームは、2本のメインフレームの内側に配置した。追加した2本のフレームには、590MPa級の高張力鋼板を使用した。