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 「依然として車載半導体不足は続いており、生産への影響は前回の見通しよりも広がる」──。三菱自動車副社長兼最高財務責任者(CFO)の池谷光司氏は、2021年11月4日にオンライン開催した21年度上期(21年4~9月)の連結決算会見でこのように述べた(図1)。

池谷光司氏
図1 三菱自動車副社長兼CFOの池谷光司氏
(オンライン会見の画面をキャプチャー)
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 半導体不足による減産規模について、同社は20年度通期(20年4月~21年3月)の連結決算を発表した21年5月の時点で、「半導体不足の影響によって、21年度は上期に8万台を減産するが、下期に4万台の挽回生産を行い、21年度通期の減産台数を4万台に抑える」としていた。

 これに対して21年7月には、21年度上期の減産台数が5月の計画よりも増え、9万3000台になると発表した。ただ、下期の挽回生産によって、21年度通期の減産台数を5月の計画と同じ4万台に抑えることを目指していた。

 ところが現時点では、21年度上期の減産台数が10万3000台まで増え、下期の挽回生産は約8000台にとどまるという。その結果、21年度通期の減産台数は、約9万5000台まで拡大する見通しである。

 同社は減産台数拡大の影響を、21年度通期の業績見通しに織り込んだ。同期の世界販売台数は、前回計画(21年7月時点:以下、同じ)に比べて6万4000台減の90万3000台に下方修正した。半導体不足の今後の影響が見通せないため、地域別の販売台数は公表できないとした(図2)。

21年度通期の世界販売計画
図2 21年度通期の世界販売計画
(出所:三菱自動車)
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営業利益の目標を1年前倒しで達成へ

 21年度通期の世界販売台数は下方修正したが、営業利益については、前回計画を200億円上方修正して600億円とした。三菱自は現在進めている事業構造改革によって、22年度(22年4月~23年3月)に500億円の営業利益を目指すとしていた。

 同社社長兼最高経営責任者(CEO)の加藤隆雄氏は同日の会見で、「この目標を1年前倒しで達成できる」と強調した。今後も固定費の削減を中心とする構造改革を継続し、「上方修正した計画の達成に全力を挙げる」(同氏)と言う(図3)。

加藤隆雄氏
図3 三菱自動車社長兼CEOの加藤隆雄氏
(オンライン会見の画面をキャプチャー)
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 なお、同社が同日に発表した21年度上期の連結決算によると、同期の世界販売台数は、前年同期比で25.9%増の44万2000台だった。主力市場のASEAN(東南アジア諸国連合)や豪州・ニュージーランド、日本、北米などで販売を増やした。

 同期の売上高は同54.9%増の8906億円、営業利益は252億円を確保した(前年同期は826億円の営業赤字)。回復した世界販売に加えて、構造改革やコスト削減の取り組み、為替レートの円安などが増収増益に寄与した(図4)。

営業利益の増減要因(21年度上期)
図4 営業利益の増減要因(21年度上期)
(出所:三菱自動車)
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