JFEスチールはデータサイエンティストとその候補となる人材を、習熟度によって4階層に分け育成している。この人材育成は2018年に開始し、2020年度末時点で350人のデータサイエンティストを育成した。2024年度末には600人への増員を掲げる。
データ活用による操業の効率化を図るため、2017年10月にデータサイエンスプロジェクト部を設立。同部が主導する形でデータサイエンティストの育成プログラムを推進している。
四辻淳一データサイエンスプロジェクト部主任部員は社員を育成する理由について「自社の業務や製造ラインを理解していないと、データ分析のポイントや結果の妥当性を評価できない。社内の人材を育成した方がノウハウの蓄積にもつながる」と話す。
同社が定める育成階層は事務系を含む社員を対象とする「DS(データサイエンス)利用者」、技術系社員を対象とする「DS活用者」、製造部門エンジニアの一部を対象とする「DS伝道者」、製造部門エンジニアの一部に加えて研究部門の研究員を対象とする「DS先駆者」だ。このうち上位の「DS先駆者」と「DS伝道者」を「データサイエンティスト」と定義している。