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 「こちらのプルプルのジェルを潰さずに、優しく塗り広げるのがポイントです」。資生堂の美容部員であるビューティーコンサルタント(BC)が自身の手にジェルを塗り、カメラに向かって使用方法のポイントを解説していく。

 これは資生堂が手掛けるライブコマースの一場面だ。BCはSNS(交流サイト)などを通じて寄せられる視聴者のコメントや質問に答えながら話を進める。

 資生堂はオンラインコマースをDXの柱の1つと位置づけ、百貨店などで接客に従事していたBCを、デジタルチャネルの専門人材である「オムニBC」に転身させた。オムニBCの候補を社内公募したところ125人が手を挙げ、その中から25人を選出した。

 オムニBCは、2021年7月にアクセンチュアと共同出資で設立したDX戦略会社、資生堂インタラクティブビューティーに所属。オンラインコマースに必要なスキルを主としたデジタルスキルの研修を受け、ライブコマースやオンラインカウンセリングといった実務に就きながらスキル習得に取り組んでいる。

 オムニBC向けの研修を主導する、資生堂インタラクティブビューティーの中山千鶴子オムニエクスペリエンス推進部グループマネージャーは「新型コロナ禍でリアルな場での接客機会が乏しくなった。そんな中、BCたちが自主的にライブ配信を始めたが、PoCとして配信を続けるうちに体系化した教育の必要性を実感した。外部の知見も借りてオンラインコマースに必要なスキルを体系化し、それを身に付けるための研修プログラムを組んだ」と経緯を話す。

 オムニBCはライブ配信への出演だけではなく、その運営も担う。ライブ配信中にオムニBCが紹介する商品の情報が同時に画面上に表示され、画像をクリックすることで視聴者は資生堂の公式Webサイト「ワタシプラス」から商品を購入できる仕組みにしている。その際、商品画像の投影や購入への誘導画面を表示するなどのオペレーションも、研修を受けたオムニBCが担当する。さらにSNSへの動画投稿も担うため、同社は外部講師による動画編集スキルの研修を実施。オムニBCは動画編集のマニュアル作成にも参加した。

資生堂のライブコマースのリハーサル風景
資生堂のライブコマースのリハーサル風景
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本番の配信映像(画像提供:資生堂)
本番の配信映像(画像提供:資生堂)
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