全3680文字

これまでは核融合実験向けの瞬時の大電力の供給や鉄道車両の回生エネルギーの充放電が主な用途だったフライホイールも、再生可能エネルギーの主力電源化時代に向けていよいよ新しいフェーズに入った。材料の刷新に加えて、小型化とコストダウンが進んでいるのである。電力系統につながる再生可能エネルギーが増えれば増えるほど、フライホイールの高い応答性は実は重要さを増してくる。

 フライホイールは、“充電”時にモーターで「弾み車」という回転体を高速回転させることで電力を貯蔵し、発電時には、弾み車が貯蔵している運動エネルギーを使って発電機を回して発電する(図1)。回転時に摩擦が発生するとエネルギー損失となるため、真空容器内で回転させたり、非接触で回転させたりする製品もある。

図1 高速応答性と高出力がフライホイールの持ち味
図1 高速応答性と高出力がフライホイールの持ち味
フライホイールの貯蔵原理と主な用途。電気エネルギーを、弾み車という円盤の回転運動の機械エネルギーに変換して貯蔵する。再エネが大量導入された場合、同期電源の慣性力が弱まり、再エネの出力変動が周波数の急激な変動を招く。蓄電池よりも瞬発力が高いフライホイールは、周波数変動が大きくなる前に封じ込めるのが得意だ。(図:日経クロステック)
[画像のクリックで拡大表示]