これまでは核融合実験向けの瞬時の大電力の供給や鉄道車両の回生エネルギーの充放電が主な用途だったフライホイールも、再生可能エネルギーの主力電源化時代に向けていよいよ新しいフェーズに入った。材料の刷新に加えて、小型化とコストダウンが進んでいるのである。電力系統につながる再生可能エネルギーが増えれば増えるほど、フライホイールの高い応答性は実は重要さを増してくる。
フライホイールは、“充電”時にモーターで「弾み車」という回転体を高速回転させることで電力を貯蔵し、発電時には、弾み車が貯蔵している運動エネルギーを使って発電機を回して発電する(図1)。回転時に摩擦が発生するとエネルギー損失となるため、真空容器内で回転させたり、非接触で回転させたりする製品もある。