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 ビジネスパーソンの役職別にテレワークの生産性を調べてみると、どんな結果が出るのか――。企業や組織の働き方の実態に調査で迫る特集の5回目は、回答者の役職とテレワークの生産性についてクロス分析した結果を紹介する。

 日経BP 総合研究所 イノベーションICTラボは「働き方改革に関する動向・意識調査」を2020年春から定期的に実施しており、2021年10月に最新の4回目を実施した。2021年7~9月(一部地域は8~9月)における緊急事態宣言(まん延防止等重点措置を含む、以下同)の最中と、10月以降の宣言解除後について、在宅勤務の実施状況や効率、課題などを聞いた。

 生産性については「テレワークによる業務の生産性は、職場(派遣・常駐先を含む)で仕事に取り組む場合を100とした場合、どれくらいですか」と尋ねた。

 選択肢は「120以上」「100超120未満」「100(職場で働く場合とほぼ同じ)」「80以上100未満」「60以上80未満」「40以上60未満」「20以上40未満」「20未満」を用意した。回答のうち「120以上」と「100超120未満」の合計を生産性が「上がった」として集計。「80以上100未満」「60以上80未満」「40以上60未満」「20以上40未満」「20未満」を生産性が「下がった」として扱った(グラフの数値は丸めのため、100%にならない箇所がある)。

「部長以上」は生産性が高い

 2021年7~9月(緊急事態宣言の最中)について回答者の役職別に調べると、生産性が「上がった」人は部長以上(役員を含む)のうち26.5%、課長クラスのうち16.7%、一般・専門職のうち19.9%だった。「下がった」割合は部長以上が38.8%、課長クラスが42.9%、一般・専門職が46.6%だった。「下がった」から「上がった」を引いたポイント差が最低、つまり生産性が最も高かったのは部長以上だった。

役職別に見た、テレワークの生産性(緊急事態宣言中)。「テレワークによる業務の生産性は、職場(派遣・常駐先を含む)で仕事に取り組む場合を100とした場合、どれくらいですか」と尋ねた
役職別に見た、テレワークの生産性(緊急事態宣言中)。「テレワークによる業務の生産性は、職場(派遣・常駐先を含む)で仕事に取り組む場合を100とした場合、どれくらいですか」と尋ねた
(出所:日経BP 総合研究所 イノベーションICTラボ)
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 同期間において部長以上が週3日以上テレワークした人の割合は39.3%と、役職別で最低だった。部長以上はテレワーク中心で働く人は少ないが、いざテレワークを実施した際は高い生産性を出しているようだ。目的や仕事の内容に応じて出社と在宅を使い分けている可能性もある。

 役職別の生産性に話を戻す。2021年10月以降(全面解除後)の結果を見ると、生産性が「上がった」人は部長以上(役員を含む)の26.7%、課長クラスのうち17.5%、一般・専門職のうち19.6%だった。「下がった」割合は部長以上が37.8%、課長クラスが42.5%、一般・専門職が45.4%だ。見比べると、緊急事態宣言中と大差はなかった。

役職別に見た、テレワークの生産性(全面解除後)。「テレワークによる業務の生産性は、職場(派遣・常駐先を含む)で仕事に取り組む場合を100とした場合、どれくらいですか」と尋ねた
役職別に見た、テレワークの生産性(全面解除後)。「テレワークによる業務の生産性は、職場(派遣・常駐先を含む)で仕事に取り組む場合を100とした場合、どれくらいですか」と尋ねた
(出所:日経BP 総合研究所 イノベーションICTラボ)
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