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 新型コロナウイルスの感染拡大から2年弱、働き方改革を阻む諸問題は解決されたのだろうか――。2020年4月から定期的に実施してきたテレワーク調査の最新結果を見ると、なかなか解決が進まない、ある問題の存在が浮かび上がってきた。

 日経BP 総合研究所 イノベーションICTラボは「働き方改革に関する動向・意識調査」を2021年10月に実施した。新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐ目的で発出された緊急事態宣言(まん延防止等重点措置を含む、以下同)が全面解除されたタイミングで、在宅勤務の実施状況や課題について尋ねた。

 調査で「あなたがテレワークを利用する際に不便・不安と感じる点や、テレワーク利用の阻害要因になると思う点をお聞かせください」と複数回答可の形で質問した結果、首位は「同僚(上司や部下を含む)とのコミュニケーションに支障がある」で43.8%の人が選んだ。最大の課題は意思疎通にあり、チャットやWeb会議よりも対面の方が対話しやすいと、多くの人が感じていると推察できる。

テレワークの阻害要因について聞いた結果。「あなたがテレワークを利用する際に不便・不安と感じる点や、テレワーク利用の阻害要因になると思う点をお聞かせください」と複数回答可の形で尋ねた
テレワークの阻害要因について聞いた結果。「あなたがテレワークを利用する際に不便・不安と感じる点や、テレワーク利用の阻害要因になると思う点をお聞かせください」と複数回答可の形で尋ねた
(出所:日経BP 総合研究所 イノベーションICTラボ)
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無駄な会議の削減につなげたい

 同じ対話でも、「取引先や顧客とのコミュニケーションに支障がある」と感じる人は16.6%にとどまった。取引先や顧客との対話は商談が中心であり、議題やテーマが決まっていることが多い。一方で社内の対話はアイデア出しや課題の洗い出しなど、フリーディスカッションのような形で進むケースが少なくない。話す相手や目的によっては、オンラインで補いやすいと言えそうだ。

 例えば社内のコミュニケーションでも、事務連絡や決定事項の伝達など、議題があらかじめ決まっている会議などはオンラインでも支障無く進められる可能性がある。もっとも、そのような会議はそもそも開催する必要がなく、チャットで共有して各自が好きなときに目を通せば十分という見方もできる。このようにチェックしていけば、無駄な会議の削減につなげられるかもしれない。

 テレワークを阻害する要因の2位は「書類・伝票類(紙)を取り扱う業務(押印、決裁、発送、受領など)をテレワークの対象とできずに不便」で36.0%だった。3位は「ずっと自宅にいると、心身を仕事モードに切り替えにくい」(27.6%)、4位は「自己管理や時間管理がルーズになりがち」(25.0%)、5位は「テレワークで自己負担する通信費・光熱費がかさむ」(24.0%)だった。