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「柏の葉(かしわのは)に訪れた企業やスタートアップが発展することで地域活性化につながる。それが柏の葉スマートシティという街の発展・ブランド向上にも寄与してくれる」――。
三井不動産が2000年代から千葉県柏市で開発する「柏の葉スマートシティ」で、プロジェクトリーダーを務める三井不動産柏の葉街づくり推進部事業グループグループ長の吉崎典孝氏はそう語る。
柏の葉スマートシティは、日本社会の活力・産業を育む「新産業創造」、あらゆる世代の健康促進を支援する「健康長寿」、地球環境に配慮する「環境共生」という3点を軸に街づくりを進めている。20年11月には、民間企業向けに柏の葉スマートシティに住む市民データの活用を支援するデータ連携基盤「Dot to Dot」の運用を開始。21年11月には、国立がん研究センター東病院や東京大学との共同研究を望む企業やスタートアップに向け、ライフサイエンス領域の研究開発が可能な施設「三井リンクラボ柏の葉(仮称)」も建設した(図1)。市民と大学・研究施設、企業が団結して新たな産業の創出につなげ、その恩恵を市民と地域が受けられるような街づくりに力を入れている、柏の葉スマートシティの取り組みに迫る。