ワークショップや実践型演習の評価ポイントは、実務で評価する視点と同じもので評価している。実務ではこれらの観点がしっかり盛り込まれたビジネスアイデア、企画書になるように指導している。
評価ポイント | 説明 |
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1.実体験をベースにしたアイデアで気持ちが込められているか(手段ありきになっていないか) | 自分の経験した困りごと、良かったこと、あったらいいなと感動することで語られているか |
2.分かりやすく説明できているか。短い時間で本質が伝えられているか(プレゼン能力) | 短い内容で説明されているか。一目で分かる資料か |
3.具体性があるか。抽象論ではなく、具体的な商材やサービスで説明できているか | 誰に対するどんな商材か。いくらでどこで販売するか |
4.論理性があるか。根拠を数字などで示しているか | 問題に対する打ち手に矛盾がないか。市場規模、販売金額、コスト試算がラフでも数字で示されているか |
5.他にはない差別化ポイント(エッジ)があるか | 類似するサービスの有無、それとの明確な差異などを説明できるか |
以下は、オンラインで実施した、実際のVitalityDX塾の実践型演習を一部動画にしたものだ。両方とも1分ほどの短い動画なので視聴していただき、チームが議論している雰囲気を味わっていただきたい。研修事例1は、保険会社と旅行業界の協業というテーマでB2B2Cを主眼に話し合い、研修事例2はネットスーパーの新しいビジネスモデルを作成するというテーマだった。議論の基になったスライドを載せておく。動画では、筆者が上記の評価ポイントを基にそれぞれ講評している。
この結果、多くの受講者が「ビジネス視点で考える癖がついた」「ビジネスを発想することに自信がついた」と考えるようになっている。3年くらい継続すると、参加者の意識や日常行動が変わってくることを実感している。それは一緒に仕事をしていれば分かる。分からないことをネットで調べるのが速くなり、それをアウトプットに生かそうとするのだ。
チームメンバーは今までの仕事のやり方を大事にすることが多く、新しい仕事のやり方を身につけることを嫌がったり、または受け入れたりしないことが多くある。そこで、マインドセットを実施できるような仕事のアサイン、コーチング、評価をする必要がある。これがDXにおけるリーダーの重要な仕事の1つである。
住友生命保険 理事 デジタルオフィサー
