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 多くの人にとって、今や「カメラ」と言えばスマートフォンが搭載するそれを意味する。驚くほど進化した、この身近なツールをもっと使いこなしてみよう。

 近年、スマートフォン(スマホ)のカメラは猛烈なスピードで進化を遂げている。超広角から望遠まで複数のカメラを搭載するのは当たり前。AI(人工知能)を駆使したリアルタイムな画像処理の表現力も高まって、レンズ交換式デジタルカメラに迫る性能だ。撮った写真も5Gのネットワークで瞬時にシェアできるので、趣味だけでなく仕事にも活用できる。

デジタル一眼に迫る高画質

 高画質化も進んでおり、Webサイトや雑誌などの小さなカットで使用する分には、ほとんどの人がデジカメ写真との違いを判別できないだろう。「そんなはずはない」と思った人は、右の写真をよく見比べてほしい(図1)。どちらがスマホでどちらがAPS-Cフォーマットのレンズ交換式一眼レフカメラの写真か分かるだろうか。分からなかったとしても問題はない。どちらも素晴らしい描写で、両者にそれほど大きな差がないことが確認できただろう(答えは最後のページに)。

どちらがスマホで撮った写真?
どちらがスマホで撮った写真?
図1 海辺の断崖を写したカット※。どちらかがアップル「iPhone 12 Pro Max」で、もう一方がリコー「PENTAX K-3 Mark III」で撮ったものだ。メリハリ感と発色、草の密度感に注目してほしい(※構図が同じになるようクロップ済み)
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 本連載では、ポケットに入る高性能なスマホカメラを使い倒すためのノウハウを紹介する。あなたの持っているスマホも、デジカメをしのぐ性能を秘めているのだ。まずはその威力を確認していこう。

 少し昔のスマホはカメラを1つしか持たず表現力が乏しかった。デジカメで言うと単焦点レンズを装着した状態だったからだ。デジタルズームは画質が劣化するため、寄ったり引いたりと撮影者自らが動いて構図を決める必要があった。それが今や、エントリーモデルでもデュアルカメラ化され、広角から望遠まで2つの眼を持つようになった。