日本信号は乗客の顔を判別し、登録済みの乗客のみを通す顔認証機能を搭載した自動改札機を「第7回鉄道技術展」(幕張メッセ、2021年11月24~26日)に出展した(図1)。2019年12月に大阪市高速電気軌道(Osaka Metro)での実証実験に使ったものを改良し、本体のきょう体にカメラを埋め込んだ。「通常は大人/小人の判定ランプが付くところ」(同社)がカメラになっている。
あらかじめ登録した顔と照合し、登録があればドアを開けて乗客を通し、登録がなければ通さない方式。運用方法にもよるが「車内での暴力事件などを防ぐ対策の一環になり得る」と同社は見る。
採用例はまだないが、現在、実用化に向けて課題の洗い出しと対策を進めている。例えば、改札のそばで待ち合わせをしている人など、改札を通る意思のない人の顔を判定してドアを開けないよう、カメラからの有効距離を制限する必要がある、といった課題が考えられるという。