JRグループの鉄道情報システム(JRシステム、東京・渋谷)は2020年から開発を進めている「タッチレス指定席券売機」を「第7回鉄道技術展2021」(幕張メッセ、2021年11月24~26日)に出展した(図1)。展示会への出展は初めて。既存のタッチパネルの手前数cmのところで、赤外線によって指の有無と位置を検出する。乗客はパネル面に触れなくても指を近づけるだけで操作できる。
赤外線発光部と受光部(センサー)を、タッチパネルの額縁のような枠に組み込んだ。パネル面と平行に赤外線を飛ばし、センサーで受ける。指があると赤外線が遮られるため、指の有無と位置が分かる(図2)。そのため乗客は、パネルと垂直な方向に指をまっすぐに入れる必要がある。出展品を見る限りでは、よほど意図的に斜めに指を入れないと誤動作は起こらない印象だった。タッチパネル自体は残してあり、触っての操作も可能。
新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて開発を開始。21年7月2日からJR西日本新大阪駅に1台を設置し、実証実験を実施した。JR九州でも博多駅に1台を設置して実証実験を行った。