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 富士電機は、2020年12月から営業運転を開始したJR東日本横須賀線用のE235系電車1000番台の乗降用ドアを、「第7回鉄道技術展2021」(幕張メッセ、2021年11月24~26日)に「最新式のドア」(同社)として出展した。同期モーターの回転をラック・アンド・ピニオン機構によりドアの往復動作に変える「FCPM方式」の駆動システムを備える。モーターと同軸に付けたエンコーダーによってドアの位置を高い精度で把握できるため、モーター電流の監視と合わせて小指程度の小さな物体の挟み込みを検知できる。

図 富士電機が出展した「FCPM方式」のドア
図 富士電機が出展した「FCPM方式」のドア
JR東日本のE235系に採用された。1000番台は半自動ドアボタンが付く。(出所:日経クロステック)
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 走行中はソレノイドで動作するロックピンを動作機構に入れて、ドアが開かないようにしている。非常用ドアコックの操作があった際はロックを解除するが、時速5kmに減速するまではドアを開けないように同期モーターで押さえる。以前の空気式では走行中であってもドアが開いてしまっていた。

 出発時に細い物体を挟み込んだままロックピンが入った場合に、乗客や係員が挟まった物体を引き抜けるように機構の一部に弾性を持たせた。加速して時速5km以上になった時点で、同期モーターによる押しつけ力を増やすよう制御する。

 電気式の開閉装置はリニアモーターによるものもあるが、FCPM方式は機構がシンプルで保守性も良好という。