JR西日本テクノス(大阪市)は、鉄道車両の保守などの際に車両や台車を動かす装置「簡易車両移動装置」を「第7回鉄道技術展2021」(幕張メッセ、2021年11月24~26日)に出展した(図1)。保守の対象となる車両のみを、リモコン操作で安全に移動させられる。

同装置は、車両の側面からフォーク形の部分を挿し込んで固定して使う(図2)。駆動部に搭載した2つのローラーを車輪の踏み面に接触させ、ローラーの回転力を伝えて車輪を回す「車輪捕捉方式」で車両を動かす(図3)。ローラーには摩擦係数の高いポリウレタンを採用するなどして、確実に車輪を回せるようにした。


直流24Vのリチウムイオン2次電池(LIB)で駆動し、移動速度は最高8m/min。搬送可能な質量は最大45tで、同装置1台で1両を動かせる。回転させられる車輪の直径は780~910mmとする。装置の大きさは、本体が2480×1580×910mmで制御部が500×500×800mm、質量は234kg。
仕様については検討を続ける。例えば、1回の充電でより長く使えるようにしたいというニーズも想定される。ただし、LIBの容量が大きくなれば質量も増すため、ユーザーと調整していくという。