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同じGPUでも実際に発揮できる性能は異なる

 NVIDIA GeForceシリーズのラインアップは、上位からGeForce RTX 3090、GeForce RTX 3080 Ti、GeForce RTX 3080、GeForce RTX 3070 Tiといったように、数字が大きいほうが上位のモデルで性能が高い。末尾のTiは追加された強化版であることを示し、少し性能が上乗せされている。

 ノートPC向けGPUは末尾に「Laptop」を付けることで区別している。デスクトップPC向けのGPUとは名称が似ていても完全に別物と考えたほうがよい。例えば、ノートPC向けのGeForce RTX 3080 Laptopは、デスクトップPC向けのGeForce RTX 3080と末尾にLaptopが付くかどうかの違いだけだが、性能も機能も大きく異なる。

 またノートPC向けのGPUでは、名前が同じでも性能が異なる場合がある。CPUと同じようにブースト機能が導入されていて、放熱設計やブースト機能の電力パラメーター設定次第で性能が大きく変わってくる。その度合いはCPU以上に顕著だ。

 このため、実際に発揮できる性能は製品ごとに計測してみないと分からないが、NVIDIAコントロールパネルで見られる「最大グラフィックスパワー」の値がある程度目安になる。最大グラフィックスパワーが高いほうが実測の性能がよい傾向にある。

 この傾向は、GeForce RTX 30シリーズになってから顕著に見られる。特に薄型軽量でスペックがよい製品は最大グラフィックスパワーが抑えられている可能性が高いので、注意してほしい。

NVIDIAのWebページに記載されているデスクトップPC向けGeForce RTX 3080のスペック
NVIDIAのWebページに記載されているデスクトップPC向けGeForce RTX 3080のスペック
(出所:米NVIDIA)
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NVIDIAのWebページに記載されているノートPC向けGeForce RTX Laptopシリーズのスペック。CUDAコアの数とブーストクロックだけを見てもデスクトップPC向けとはかなり異なっていることが分かる
NVIDIAのWebページに記載されているノートPC向けGeForce RTX Laptopシリーズのスペック。CUDAコアの数とブーストクロックだけを見てもデスクトップPC向けとはかなり異なっていることが分かる
(出所:米NVIDIA)
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最大グラフィックスパワーの設定値は、NVIDIAコントロールパネルの「システム情報」で確認できる
最大グラフィックスパワーの設定値は、NVIDIAコントロールパネルの「システム情報」で確認できる
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クリエーティブでの存在感が高まる

 GPUの用途といえばゲームが中心だったが、クリエーティブでの活用が年々進んでいる。特に、クリエーティブアプリケーションがバージョンを重ねるごとにGPU、特にエヌビディアのGPUの機能を活用するようになっている。エヌビディアが開発環境の提供などで、積極的にGPUのクリエーティブ活用を促していることが大きい。

 従来はGPU活用といっても描画の高速化など限定的なものにとどまっていたため、ミドルクラス以上のGPUであれば性能に大差なかった。ハイエンドのGPUを搭載してもそのコストに見合う恩恵は得られないことが多かったが、現在ではレイトレーシングを活用したレンダリングなど、グレードの高いGPUの性能を制作の時間短縮に生かせる作業が増えてきている。

 NVIDIA STUDIOのWebページには代表的なアプリケーションの活用状況を記載している。どのソフトでどんな機能が使われているのか、どのGPUを使うと効果的かが分かるようになっている。

NVIDIA STUDIOのWebページでは代表的なアプリケーションでのGPU活用状況が記載されている。GeForce RTX 3060以上を推奨している機能も多い。URLは、https://www.nvidia.com/ja-jp/studio/software/
NVIDIA STUDIOのWebページでは代表的なアプリケーションでのGPU活用状況が記載されている。GeForce RTX 3060以上を推奨している機能も多い。URLは、https://www.nvidia.com/ja-jp/studio/software/
(出所:米NVIDIA)
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Lightroom Classicの環境設定画面。描画の高速化以外にも、RAWデータの画質を向上させる「ディテールの強化」、AIで解像度を向上させる「スーパー解像度」などGPUを活用する機能が年々追加されている
Lightroom Classicの環境設定画面。描画の高速化以外にも、RAWデータの画質を向上させる「ディテールの強化」、AIで解像度を向上させる「スーパー解像度」などGPUを活用する機能が年々追加されている
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