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エヌビディアは性能に制限をかけて品不足を緩和

 ディスクリートGPUは暗号資産のマイニングでも利用される。2021年は初頭から暗号資産(仮想通貨)の相場が上昇したため、マイニングの効率がよいGPUを搭載したグラフィックスカードの需要が爆発した。販売価格が高騰し、転売目的の買い占めが起きたため、深刻な品不足にもなった。

 ただこうした状況は2021年のうちに解消しつつある。エヌビディアは事態を重く見て、GeForceシリーズではマイニング性能(ハッシュレート)を制限する「LHR(Light Hash Rate)」仕様を導入した。2021年末に販売されているGeForce RTX 30シリーズのGPUは、最上位のGeForce RTX 3090を除けば、ほぼLHR版に置き換わっている。

 LHRの導入によって深刻な品不足状態からは脱した。しかし、LHRであってもマイニング用途で費用対効果が比較的高いシンプルなグラフィックスカードを中心に品薄傾向にあり、好きなモデルを自由に選べる状況にはない。価格も全体に高値安定で推移している。

 マイニング需要による品薄はAMDのGPUでも発生している。エヌビディアほど深刻ではなかったもののLHRに相当する施策がなく、2021年末時点でも品薄、高値安定傾向にある。

GeForce RTX 3080のLHR版を搭載したMSIのグラフィックスカード「GeForce RTX 3080 VENTUS 3X 10G OC LHR」。なお、GeForce RTX 3080 TiについてはLHR版しか存在しないため、型番に「LHR」が付かない
GeForce RTX 3080のLHR版を搭載したMSIのグラフィックスカード「GeForce RTX 3080 VENTUS 3X 10G OC LHR」。なお、GeForce RTX 3080 TiについてはLHR版しか存在しないため、型番に「LHR」が付かない
(出所:MSI)
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インテルもゲーマー向け高性能GPU「Arc」を投入へ

 インテルは、同社のGPUアーキテクチャー「Xe」をベースにした高性能GPU「Xe-HPG」の開発に取り組んでいる。2021年8月に同社が開催した「Architecture Day」では、そのブランド名が「Intel Arc」となること、第1弾製品を2022年の第1四半期に投入することを明らかにした。

 Intel Arcとして、初めに投入するのは開発コードネーム「Alchemist」と呼ばれるもので、TSMCの6nmプロセスルールを利用して製造される。デスクトップPC向けだけでなくノートPC向けも展開する予定で、ハードウエアベースのレイトレーシング機能と、AIを駆使した超解像機能を備え、DirectX 12 Ultimateをサポートするという。

 実際の性能がどのくらいになるかについては現時点では公表されていない。将来製品の開発コードネームとして、「Battlemage」「Celestial」「Druid」を明らかにしており、今後も継続して開発を続ける意思を示している。

Intel Arcのホームページはすでに公開されている。2022年第1四半期からデスクトップPC、ノートPCの搭載製品が提供されることが予告されている。URLは、https://www.intel.co.jp/content/www/jp/ja/architecture-and-technology/visual-technology/arc-discrete-graphics.html
Intel Arcのホームページはすでに公開されている。2022年第1四半期からデスクトップPC、ノートPCの搭載製品が提供されることが予告されている。URLは、https://www.intel.co.jp/content/www/jp/ja/architecture-and-technology/visual-technology/arc-discrete-graphics.html
(出所:米Intel)
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