PCのメインストレージであるSSD(Solid State Drive)では高速化と大容量化が進んでいる。ハードディスク(HDD)もデータの長期保存、バックアップ用などで健在だ。現在の状況をまとめよう。
PCI Express 4.0x4対応SSDは第2世代に
SSDのハイエンドクラスでは、PCI Express 4.0x4対応製品が増えている。韓国Samsung Electronics(サムスン電子)、米Western Digital(ウエスタンデジタル)、米Seagate Technology(シーゲートテクノロジー)といった大手メーカーの製品が出そろい、性能面でも、2019~2020年前半の初期製品(シーケンシャルリードが5000MB/s前後)を大きく上回る。PCI Express 4.0x4対応製品は第2世代に入ったという印象だ。
米Intel(インテル)の第11世代Coreプロセッサー(Tiger Lake)がPCI Express 4.0x4をサポートして以来、プレミアムクラスのノートPCの多くはPCI Express 4.0x4対応SSDを搭載している。
また、第12世代Coreプロセッサー(Alder Lake)では、PCI Express 4.0の2倍の帯域を持つPCI Express 5.0をサポートした。PCI Express 5.0x4対応M.2ソケットを搭載するマザーボードも登場している。対応SSDを確認できていないが、台湾Phison Electronics(ファイソンエレクトロニクス)や米Marvell Semiconductor(マーベルセミコンダクター)からPCI Express 5.0対応のコントローラーが発表されている。2022年後半から対応製品が登場すると見込まれている。
M.2が主流に、インターフェースのPCIe化進む
SSDのフォームファクター(形状)は、2.5インチHDDと互換性のある「2.5インチ(7mm厚)」と小さなカード型の「M.2」の2種類が主に使われている。新製品は後者のM.2タイプのほうが圧倒的に多くなっている。
薄型軽量のノートPCを設計するうえで、スペースを必要としないカード型のM.2のほうが都合がよい。モバイルPCでは数年前からM.2 SSDしか搭載できない製品がほとんどだ。きょう体が大きいゲーミングノートPCやクリエイターノートPCでは、M.2タイプのPCI Express SSDをメインに搭載しつつもサブとして2.5インチSSD/HDDを搭載できる製品が多かったが、最近では2.5インチSSDを搭載するスペースを持たない製品が増えている。
インターフェースも、かつて主流であったSATA(Serial ATA 6Gb/s)からPCI Express(PCIe)へと移っている。ハイエンドはPCI Express 4.0x4、ミドルレンジ~エントリーはPCI Express 3.0x4が使われている。