後継者が不足する日本の製造現場では、熟練者の仕事を人工知能(AI)によって効率化する動きが加速している。深層学習の発達で熟練者の判断を高精度にAIで再現できるようになり、品質検査などの代替が広がっている。一方で、あらゆる作業をAIで代替することはリスクをはらむ。熟練者が引き継いできたノウハウを人が学ぶ機会が失われ、次世代の熟練者の育成を阻んでしまう。新たな技術者が育たなければ、人のノウハウを再現するツールであるAIの質も落ち、ものづくりの技術が衰退しかねない。そうした問題に対処するために、AIを通じて学べる仕組みづくりも進んでいる。

AI時代の技術伝承
目次
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過去の技術文書からリスク抽出、設計変更の影響を類推可能に
[自然言語処理]
製造業を中心とした業務改革支援や技術人材の育成、3D-CADのコンサルティングなどを手掛けるSOLIZE(東京・千代田)は、自然言語処理の人工知能(AI)を活用した支援サービスを展開している。
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「匠の技」を再現するAIは製造業の救世主か
製造業において人工知能(AI)の活用が広がる中、「匠(たくみ)」と呼ばれる人のように、高度な知識と技術・技能を持った熟練者の仕事の領域にもAIが活用できるのではないかと期待が集まる。一方で、人の仕事をAIで代替させるだけでは、人がものづくりの根幹を忘れ、技術の発展が頭打ちになるという不安も付きまと…
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熟練者のようなトラブル対処をAIで実現 類似度順に結果を表示
有機顔料やエンジニアリングプラスチックなどを製造販売するDIC(旧大日本インキ化学工業)は、製造現場でのトラブル発生時に熟練者と同等の対応を可能とするAIシステム「Prism」を開発。2021年6月から同社鹿島工場の顔料製造部門の一部で試験運用を、12月1日からは同製造部門全体での運用を開始した。…
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南部鉄器職人の思考をAIで再現 後世への技能伝承を高速化
岩手県の伝統工芸品である南部鉄器を造るタヤマスタジオ(盛岡市)は、ベテラン職人の思考を再現する人工知能(AI)の開発を進めている。若手が製造にまつわる不具合の原因などを素早く学べるようになり、従来10年程度かかっていた下積み期間の短縮が期待できる。順調に職人が育てば、海外など新市場の開拓を加速でき…
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AIって何?どういう仕組み? いまさら聞けないAIの基礎
私たちの生活では、多くの場面で既にAIが活躍しています。AIに関連して「機械学習」「ディープラーニング」といった単語を耳にしたことがある方も多いでしょう。しかし、その定義や仕組みについては意外と知らないのではないでしょうか。AIをうまく利用するためにも、あらためてAIの基本を理解しておきましょう。
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今のAIは電卓の延長線 創造性が人間の強みに
慶応大学理工学部管理工学科教授 栗原 聡氏
後継者不足に悩む日本の製造業で人工知能(AI)を活用する動きが広がっている。技術伝承にAIを生かすうえでの課題、そしてAIが人の仕事を代替する時代に人間に求められる役割とは何か。慶応大学理工学部管理工学科教授の栗原聡氏に聞いた。
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トヨタ九州、レクサスの「稀な異音」をAIで検知 検査員育成に活用も
トヨタ自動車九州(福岡県宮若市、以下トヨタ九州)は「レクサス」を生産する宮田工場(本社工場)で人工知能(AI)を活用した完成車の車内異音検査システムを導入し、2021年8月に稼働させた。従来は熟練検査員の聴力に頼っていた検査を自動化。検査員の負担を軽減する。将来予想される検査員の高齢化による聴力の…
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「脳波×AI」で技術伝承 ベテランの暗黙知を発掘
人工知能(AI)によって熟練者の作業を再現しようとする場合、AIに学ばせる熟練者の模範解答(学習データ)の収集が課題となる。マクニカ(横浜市)はこの課題を解決するため、人の脳の活動を見える化する「ブレインテック」に着目した。ベテラン技術者の脳波から効率的にAIの学習データを生成する。国内メーカーと…
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