全2101文字
PR

さらに複雑になったUSB Type-C

 今やインタフェースの主役は間違いなくUSB Type-Cだ。1つの端子でさまざまな機能を利用できるため、利用シーンが広がっている。ただ、全てのUSB Type-C端子とケーブルの組み合わせで全機能が使えるわけではなく、分かりにくい側面もある(図1)。まずは基本的な機能をおさらいし、最新事情を紹介する。

USB Type-Cは進化してさらに複雑に
USB Type-Cは進化してさらに複雑に
図1 USB Type-Cは進化を続けており、USB4やThunderbolt 4など新しい規格にも対応した。機能が増えることは喜ばしいが、ケーブルの種類がさらに増える結果に(イラスト:ヨーダヒデキ)
[画像のクリックで拡大表示]

 従来のUSBはパソコンなどの親機側にA型端子、周辺機器側にB型端子を使っていた。しかし、スマートフォンのようにどちらにもなれる機器が増え、境界があいまいになっていた。そこで、どちらの役割も担える3つめの端子として登場したのがType-Cだ。Type-C端子の登場により、通常サイズのA型端子(規格上の名称は「Standard-A」)やB型端子(同「Standard-B」)も「Type-A」「Type-B」と呼ぶことが増えている。

 USB Type-Cは扱える電力の強化と「オルタネートモード」が特徴だ。「USB PD(Power Delivery)」機能で最大100Wが扱えるようになり、ノートパソコンの充電までUSB Type-C端子で可能になった。オルタネートモードは映像などUSB信号以外をUSB端子とUSBケーブルで扱える機能で、Thunderbolt 3/4もオルタネートモードを利用してUSB Type-C端子に対応している。

 Thunderbolt 3/4はインテルが同社製CPUに搭載しているため、ノートパソコンを中心に搭載モデルが増えている。第11世代のCoreシリーズは最新のThunderbolt 4が利用可能だ(図2)。Thunderbolt 4はUSB Type-C端子でできることのほとんどに対応し、集大成のような規格となっている。ただ、その分かりやすさに価値が生まれるほど、これまでのUSB Type-C搭載パソコンがどの機能に対応しているか分かりにくかったとも言える(図3)。

第11世代Core登場でThunderbolt 4が普及
第11世代Core登場でThunderbolt 4が普及
図2 Thunderbolt 4は「全部入り」に最も近い規格。第11世代CoreシリーズがCPUにThunderbolt 4コントローラーを搭載したため、普及が進んでいる
[画像のクリックで拡大表示]
端子によって機能はまちまち
端子によって機能はまちまち
図3 USB Type-C端子を搭載したノートパソコンや周辺機器は増えているが、見た目ではどの機能が使えるのか分かりにくい。この端子は映像と充電に対応する
[画像のクリックで拡大表示]