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バージョン2.1で大きく変わるHDMI

 HDMIも最新のバージョン2.1で大きく進化している(図1)。帯域幅はバージョン2.0から2倍以上になり、最大で8K解像度(7680×4320ドット)まで対応した。パソコンのグラフィックス機能ではNVIDIAの「GeForce RTX 30」シリーズや、AMDの「Radeon RX 6000」シリーズなどが対応しており、ゲーミングモデルを中心に対応するパソコンが普及し始めている。

HDMI 2.1で帯域が大幅アップ
HDMI 2.1で帯域が大幅アップ
図1 HDMI 2.0では4K解像度を60Hzで表示できるのがトピックだった。HDMI 2.1では帯域が大幅に向上し、4Kなら120Hz、8K解像度も30Hzに対応。圧縮技術を利用した場合は8Kでも60Hzまで表示可能になる
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 ただ、利用する際はケーブルについて注意が必要だ(図2)。HDMI 2.1ではケーブルに新しい基準(カテゴリー)を設けており、ケーブルのカテゴリーによって対応が分かれるようになった。HDMI 2.1を利用するには、機器の対応のほかにカテゴリー3となる「Ultra High Speed HDMI Cable」が必須だ。端子部分のサイズやピン数などはバージョン2.0以前と同じなので、ケーブルは挿せるのに画面が映らないという現象が起こる恐れがある。ケーブルを購入する際は、「8K」や「Ultra High Speed」などのキーワードを探すとよいだろう。

端子は同じだがケーブルは新しくなる
端子は同じだがケーブルは新しくなる
図2 HDMI 2.1では通信するデータ量が増えるため、従来のケーブルでは性能不足になる恐れがある。そこでカテゴリー3という新しい区分を設け、対応ケーブルを分けている
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パソコン用の液晶も対応

 大型テレビの分野ではHDMI 2.1といえば8Kへの対応に注目が集まっているが、パソコン分野ではゲーミングディスプレイが先行して採用を始めている(図3)。ゲーミング液晶ディスプレイでは、120Hzなど標準の60Hzより高いリフレッシュレートが好まれており、4Kなど解像度が高くなるとHDMI 2.0では対応できなくなっていたためだ。

高リフレッシュレートでも活躍
高リフレッシュレートでも活躍
図3 パソコン分野でいち早く目を付けたのはゲーミングディスプレイだ。高解像度で高いリフレッシュレートの製品を投入している。写真は日本ギガバイトの「M32U」。4K解像度で144Hzに対応する
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 図1の通り、HDMI 2.0では4K解像度(3840×2160ドット)は60Hzまでしか対応できない。4Kでリフレッシュレートが120Hz以上のモデルではDisplayPortが主に使われており、HDMI端子は搭載していても本来の性能を生かせない状態だった。HDMI端子がバージョン2.1に対応していれば、端子を問わず性能を発揮できる。図3の「M32U」は解像度は4K、リフレッシュレートは144Hzまで対応しており、HDMI端子でそれぞれ最大まで表示可能だ。