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 AI(人工知能)と機械学習に関して2021年に最も読まれた記事は、OCR(光学式文字認識)ベンダーであるAI insideの社長へのインタビューだった。急成長を続けていた新興AI企業が減収の業績予測を明らかにしたことから業界の話題を呼んだ。

 AI insideの業績不振について初めて取り上げた「売上高4割『蒸発』のAI inside、決算発表で分かった大口契約不更新の真因」は年間4位だった。この記事を受けて同社の社長がインタビューに応じたのが年間1位の「売上高4割失うAI inside、社長が打ち明けた誤算と解約を見抜けなかった理由」だった。

 年間2位は紳士服大手の青山商事が導入した「AIスナックママ」の事例記事「青山商事が日本初のAIスナックママ、聞き上手な『よしこ』に悩み相談してみた」だった。チャットボットのユニークな応用例であることが読者の興味をひいたようだ。AIが社会に浸透するにつれ、これまでにないAIの活用事例を取り上げた記事が注目された。

 年間7位の「旭化成が『MI人材』を600人育成へ、材料開発をAIで加速」は、AIを新材料開発に応用する「マテリアルズ・インフォマティクス」の取り組みを紹介したものだ。年間11位「専門家も脱帽、深層学習を使ったPFN・ENEOS量子化学シミュレーターの威力」もマテリアルズ・インフォマティクスに関連するもの。2021年は材料開発の世界におけるAIの活用が日本で一気に加速した年になった。

 AI研究者にフォーカスした記事がよく読まれたのも2021年の特徴だ。年間10位は、世界的な人工知能学会「NeurIPS 2020」で強化学習に関する研究成果を発表した小津野将氏のインタビュー記事「AI最高位論文に輝いた30歳日本人研究者、ディープマインドでの経験生かす」だった。年間19位は自然言語処理の研究者である齋藤洋氏のインタビュー記事「自然言語を『特徴量』ととらえる、教師あり学習の効率を劇的に高めた若手AI開発者」だった。

 AIの光だけでなく陰の部分も話題になった。年間20位の「研究者2人を解雇した『グーグルAI騒動』、あぶり出されたAI倫理対立の深刻度」は、米Google(グーグル)の社内で起きたAI倫理に関する不祥事を取り上げたもの。「偏見(バイアス)の無いAIは、バイアスの無い組織やプロセスによって開発する必要がある」との考えを持つ女性研究者がグーグルから解雇されたこの問題は、AI倫理が単なる技術的な課題ではなく、社会的な課題なのでもあるとの認識を世に広めた。

AI・機械学習のアクセスランキング
期間:2021年1月1日~12月17日
順位タイトル
1位売上高4割失うAI inside、社長が打ち明けた誤算と解約を見抜けなかった理由
2位青山商事が日本初のAIスナックママ、聞き上手な「よしこ」に悩み相談してみた
3位埋もれた国産ソフトを大企業へ、元ワークスアプリケーションズ牧野氏が再始動
4位売上高4割「蒸発」のAI inside、決算発表で分かった大口契約不更新の真因
5位「ベンチャー推奨・NEC排除」で声を荒らげた平井大臣、発言の真意を読み解く
6位ヤマト運輸は配達直前でも「置き配」へ変更可能、秘密は宅配のデジタル化
7位旭化成が「MI人材」を600人育成へ、材料開発をAIで加速
8位東京五輪を狙った4.5億回のサイバー攻撃、防ぎきった官民の連携力とは
9位IBMが2nm半導体プロセスの試作成功、研究トップに聞く「ムーアの法則」の将来
10位AI最高位論文に輝いた30歳日本人研究者、ディープマインドでの経験生かす
11位専門家も脱帽、深層学習を使ったPFN・ENEOS量子化学シミュレーターの威力
12位五輪の全競技「ネット配信」の舞台裏、全ての映像はクラウド上でつくられる
13位スマート農業へ1000億円、クボタはITで世界を耕す
14位平井デジタル改革相が会議音声データを公開、文春報道との食い違いが明らかに
15位「マルチクラウド」の準備足りないデジタル庁、AWS・Google以外の選択肢は増えるか
16位「R」や「Python」よりも大事なもの AIを仕事に生かすために
17位軽くなったChromeに悪いニュース、嗜好を勝手に分析するAIが動き始めた
18位スマートホームに落とし穴、AWSやGoogle Homeの停止で家電操作に支障
19位自然言語を「特徴量」ととらえる、教師あり学習の効率を劇的に高めた若手AI開発者
20位研究者2人を解雇した「グーグルAI騒動」、あぶり出されたAI倫理対立の深刻度