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最新のWebサイトである「モダンWeb」では、以前のWebサイトよりも高度な技術が使われています。本特集では今どきのフロントエンド技術を活用したWebサイトの機能や仕組みを解説します。

 青木進一は、業務ソフトを開発する「お台場ソフト開発株式会社」入社5年目のWeb開発エンジニアです。今朝、上司の丸山課長からビデオ会議の招待メールが届きました。会議のタイトルは「次世代SPA*1技術の評価依頼」。「うちの会社はSPA(シングルぺージアプリケーション)の開発経験もないのに、次世代SPAなんて」と思いました。しかし、課長の言うことは、いつも先走っているが、正しいこともある、とも感じました。そんな気持ちで、ビデオ会議に参加しました。

*1 SPA(シングルぺージアプリケーション)の機能拡張版をここでは「次世代SPA」と呼んでいます。

ビデオ会議開始

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丸山課長:先週、「次世代SPA概要」というオンラインセミナーに参加したのだが、とても感動した。そこで見たデモは、Webなのに通信待ちなしで画面切替やデータ検索が瞬時に行われるんだ。これまでと比べて何パーセント速くなるというレベルではなく、本当の瞬時なんだ。セミナーで感動するのは久しぶりだった。セミナーの講師は「次世代SPA」と呼んでいたよ。これがデモで紹介された機能の一覧だ。

  • 待ち時間ゼロの「高速データ検索機能」
  • 通信オフでも利用出る「オフライン機能」
  • ログインすると前回終了時の画面を表示する「画面復元機能」
  • 何万件のリストでも表示できる「無限スクロール機能」

これまで、SPAのデモはいくつも見てきたが、「次世代SPA」というだけあって別次元の性能と機能をみることができた。まるでマジックのようだった。驚いたよ。

青木:別次元の性能と機能ですか。それは、すごいですね。

丸山課長:新技術の紹介は、「これからは、○○○○になります。だから○○○○を準備しましょう」という説明口調で語られることが多いよね。しかし、次世代SPA技術は違っていた。デモを見るだけで、誰にもすぐに欲しいと思わせる魅力があった。真夏の照りつける太陽の下で体が溶けてしまいそうなときの「かき氷」、真冬の北風で体が凍えているときの「ホットコーヒー」のように、説明なんか受けなくても、スグ欲しい、いくらと尋ねたくなる。人の本能に訴える魅力がある。

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青木:でも、うちの会社はSPAの開発経験がありません。それを飛び越えて次世代SPAに対応できるのでしょうか?

丸山課長:そこで、君にこの次世代SPAを評価してもらいたいのだ。デモは見かけ倒しかもしれない。実際に開発しようとすると前提条件や制約が厳しかったり、難易度が高すぎて手が付けられなかったりすることもある。問題点や留意点を洗い出して、うちの会社が次世代SPAを使いこなせるようにしたいんだ。

青木:バックエンド開発についてはそれなりの自信があります。でも、フロントエンド開発についてはjQueryとBootstrapくらいしか経験ありません。ましてや、SPAの経験は全くありません。興味はありますが、私にはちょっと難しいと思いますが。

丸山課長:しかし、この技術を使って、うちの顧客向けにデモを作ったら、「スグ欲しい」「いくらかかる」と詰め寄られそうだ。そうなれば、うちの会社も安泰だし、君も次世代SPAの技術リーダーとして活躍できるぞ。

青木:そう言われても、ひとりで技術評価はできそうにありません。

丸山課長:確かに、ひとりでは難しいと思う。しかし、私はこの技術をぜひ手に入れたい。そこで、外部の専門家からサポートを受ける手配をした。私が受講した「次世代SPA概要セミナー」を開催した会社が、エンジニア向けの個別オンライン研修をやっている。実は君の名前で、既に申し込んである。

青木:そこまで言われるなら、できるだけのことはやってみます。

丸山課長:「次世代SPA概要セミナー」で配布された資料は、今日の日付で私の共有フォルダに保存している。資料の末尾に、個別オンライン研修の案内があるので目を通しておいてほしい。個別オンライン研修のビデオ会議招待メールは今週中に送る。

青木:いつまでに評価すればよいですか?

丸山課長:調査2週間、報告書作成1週間として、3週間程度でやって欲しい。

青木:その期間で、どこまでできるかわかりませんが、とにかくやってみます。