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 健康や医療に関するアプリや製品を開発した際、「医療機器」として販売するのか、医薬品医療機器等法(薬機法)の承認などを取得しない「雑貨」として販売するのか――。ビジネスの方向性を決定するには重要な決断だ。また、雑貨として販売しているつもりであっても、販売の状態などによっては医療機器に該当すると判断され、薬機法に反してしまう場合もある。医療機器に関する薬機法の解釈において、健康医療分野のビジネスの肝を解説したい。

医薬品医療機器等法(薬機法)が医療機器やプログラム医療機器、医薬品などを規制している。
医薬品医療機器等法(薬機法)が医療機器やプログラム医療機器、医薬品などを規制している。
(出所:123RF)
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 医療機器を規制しているのは薬機法だ。薬機法は、医薬品、医薬部外品、化粧品なども規制している。国民の生命や身体に影響を与える医療機器などを規制し、その品質、有効性、安全性を担保するための法律である。

 医療機器は薬機法で次のように定義されている。「人若しくは動物の疾病の診断、治療若しくは予防に使用されること、又は人若しくは動物の身体の構造若しくは機能に影響を及ぼすことが目的とされている機械器具等(再生医療等製品を除く。)であつて、政令で定めるものをいう」。医療機器に該当する場合、製品を販売するためには、医療機器の分類に応じて承認や認証などを要する。他にも製造販売業や販売業の許可・届け出が必要になる場合がある。

 それでは医療機器として販売すると、規制を受けるデメリットしかないのだろうか。結論から言うと、そうではない。医療機器は、診断や治療、予防に使用することを目的として承認を受け、承認を受けた範囲の効能効果が認められる。すなわち、承認や認証を受けた効能効果を標榜することが可能となるのだ。また、公的保険の適用も検討できる。

 一方、医療機器ではない雑貨はどうか。診断や治療、予防などの用途を目的とした販売はできない。万が一、診断や治療、予防などの目的を標榜して販売すれば、未承認医療機器の販売や広告を行ったとして薬機法違反になってしまう。これは、アプリなどのプログラムでも同様である。

 同じ機能のプログラムや機器でも使用目的が異なれば、医療機器かどうかの判断が変わる可能性がある。例えばパルスオキシメーターには医療機器のものと雑貨として扱われるものがある。診断目的のものが医療機器で、登山中の個人的な体調管理などに使う目的のものが雑貨となる。