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(出所:123RF)
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 「本格的な量子コンピューター」の実用化の時期は、早くて2020年代の終わりくらい、現実的にはさらに後になるかもしれません。

 わざわざ「本格的な量子コンピューター」と書いたのには理由があります。既に量子コンピューターを導入したという企業のニュースを読んだ方や、インターネットでアクセスして使える量子コンピューターがあるじゃないかと思う方がいらっしゃるかもしれません。確かにその通りです。ただし、これらは多くの研究者が実現を目指す量子コンピューター本来の姿からは、かなりかけ離れています。

 数々の用途で桁違いの性能を発揮するためには、量子コンピューターがいくつかの条件を満たす必要があります。かいつまんでいえば、できるだけ多くの「量子ビット」と、「誤り訂正」の機能を備えることです。

 量子ビットとは量子コンピューターの基本となる部品で、多ければ多いほど性能がよくなります。ところが今ある量子コンピューターでは、その数は数十個にすぎません。本当に実用的になるには100万個は欲しいところです。量子ビットの多さは、2つ目の誤り訂正の機能を実現する上でも大切です。今の数では全く足りません。現状の量子コンピューターは、誤り訂正の機能を組み込むだけの実力さえ備えていないのです。

 これらの技術的なハードルは相当高く、クリアするには、やはり10年近い時間がかかってしまいそうです。

次回の一問一答