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 日経BP 総合研究所 イノベーションICTラボが2021年11月17日に開催した「ITイノベーターズサミット」。トヨタ自動車やパナソニック、日本航空(JAL)、資生堂など日本を代表する企業のデジタル変革リーダーがエグゼクティブメンバー(幹事会員)として議論に参加し、本音や裏話を交えながら、変革の本質に迫る発言を交わし合う。

「ITイノベーターズサミット」のディスカッションの様子
「ITイノベーターズサミット」のディスカッションの様子
(撮影:井上裕康、以下写真同)
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 2021年最後の開催となった今回は、新型コロナウイルス禍で進めたデジタル施策の成功例や苦労話など、自社の1年間の取り組みを総括する話題で盛り上がった。

JALとANAが異例のタッグ

 変異型「オミクロン型」が世界中で猛威を振るうなど、いまだに先行きが見通せない新型コロナ――。2020年から2021年にかけて、事業への影響を最も受けた業界の1つが航空業界だろう。

 その1社、JALでIT企画本部IT推進企画部部長を務める高屋出氏は、新型コロナという逆風下で推進したデジタル化施策を披露した。取り組みの成果として、特に参加者の関心を引いたのは、2021年10月に発表された全日本空輸(ANA)とのチェックインシステム機器の共同利用だ。

日本航空(JAL)の高屋出IT企画本部IT推進企画部部長
日本航空(JAL)の高屋出IT企画本部IT推進企画部部長
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 これまで競合する両社がITの分野で手を組むということはほとんどなかったという。ところが、新型コロナ禍で両社は苦境に陥ったこともあり、「非競争分野では協力をしましょうと、(ANAと)非常に良い議論ができている。機器の共同利用はその成果の1つ。そういった意味で(新型コロナで事業が)厳しいながらも、手応えも感じられた1年だった」(高屋氏)と振り返った。

 新型コロナ禍にもくじけず、できることを見つけて挑戦し続ける。こうした姿勢が持続的成長の必要条件となる――。JALの高屋氏の発言にうなずいている多くのエグゼクティブメンバーは、こう感じていたことだろう。

 データ活用人材の育成で一定の成果を上げているのが、ヤマハ発動機である。同社は社内にデータ活用の文化を浸透させるために、社員向けにデータ分析の研修などを実施。「累計で800人超が受講しており、地道ながらもクラウドやデータ活用の文化を徐々に浸透させられた1年だった」。同社の大西圭一IT本部デジタル戦略部デジタルマーケティンググループ兼データ分析グループグループリーダーはこう手応えを語る。

ITイノベーターズサミット(2021年11月開催)で議論したDXのポイント
ITイノベーターズサミット(2021年11月開催)で議論したDXのポイント
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