体調が悪化してから医療機関を訪れるのではなく、悪化しないように自分でケアしようというセルフケアの考え方が広がっている。増大を続ける医療費の抑制につながる可能性を秘めるセルフケアだが、個人がどのように対処すればいいのか、市販の薬を買うなら何を選べばいいのかといった悩みも多い。人々の健康維持と持続可能な社会保障の両立を目指し、デジタル技術の活用でセルフケアを巡る課題解決に取り組む企業の動きを追う。

(出所:123RF)
体調が悪化してから医療機関を訪れるのではなく、悪化しないように自分でケアしようというセルフケアの考え方が広がっている。増大を続ける医療費の抑制につながる可能性を秘めるセルフケアだが、個人がどのように対処すればいいのか、市販の薬を買うなら何を選べばいいのかといった悩みも多い。人々の健康維持と持続可能な社会保障の両立を目指し、デジタル技術の活用でセルフケアを巡る課題解決に取り組む企業の動きを追う。
セルフケアを実践する人をデジタル技術で支援する取り組みが数多く登場しているが、セルフケアを始める前の段階からの支援も重要だ。例えば、不調を感じる前から自身の健康に関心を持っていれば早い段階での対応が可能になる。こうした治療を始める前のフェーズを、アプリを通じて支援する動きが広がっている。
セルフメディケーションで利用する薬として一般用医薬品の漢方薬を選択する人が増えている。その一方で、種類の多さや独特な漢方医学の考え方に抵抗感を示す人がいるのも事実だ。こうした現状に対し、デジタル技術を活用することで漢方を身近な存在にしようとするスタートアップが相次いで登場している。
体調が悪化して医療機関を利用する前に、自分の健康を自分で管理しよう――セルフケアと呼ばれるこうした考え方が、世界で広がりつつある。日本においても注目が集まるセルフケアだが、その背景にはグローバルな課題以外にも日本特有の事情がある。