全1890文字
PR

本業の強化を掲げ、大胆な変革を矢継ぎ早に実行してきた富士通の時田隆仁社長。ただ、変革の途中で自社ツールが不正アクセスを受けて顧客情報を流出させる失態を起こした。ウィズコロナの不透明な状況が当面続くと気を引き締めつつ、2022年は巻き返しを狙う。

(聞き手は浅川 直輝=日経コンピュータ編集長、玉置 亮太=日経クロステック/日経コンピュータ、鈴木 慶太=日経クロステック/日経コンピュータ)

時田 隆仁(ときた・たかひと)氏
時田 隆仁(ときた・たかひと)氏
1988年富士通入社。2014年6月に金融システム事業本部長。執行役員常務グローバルデリバリーグループ長などを経て、2019年6月より現職。(写真:村田 和聡)
[画像のクリックで拡大表示]

変異型「オミクロン型」が世界で猛威を振るうなど、新型コロナウイルス禍の先行きはいまだに見えづらい状況です。2021年をどう総括しますか。

 2020年以上に、分かりづらい1年でした。ちょうど1年前のインタビューでは、(2021年は)新型コロナのワクチンが出回っていずれ落ち着くのではないかとお話していたのですが、あいにく状況は大きく変わりませんでした。本当に不透明、不確実で、非常に難しい状況が続いた1年でした。

 このような状況下でも2021年4~9月期連結決算(国際会計基準)が増収増益だったことは良かったですが、私は社内にポジティブな発信を一切していません。役員会議や取締役会においても、決してポジティブな発言をしていないです。増収増益でも中身が思い描いた通りではないのは明らかだからです。

2019年6月に社長就任後、「Ridgelinez」「富士通Japan」の設立といったグループの再編や「Fujitsu Transformation(通称:フジトラ)」の推進など、様々な変革を進めてきましたが、その手応えは。

 そこはもう確実に実行しましたし、実感として思い通りのところまではできたと思います。当初思い描いた以上の改革の取り組みにも着手していて、不足感や不満はないですね。新型コロナで不安定な状況の中でも、(改革に向けて)社員全員がすごくよくやってくれているのは感謝しています。

2022年の市場環境をどう見ますか。

 難しいところですが、ただ間違いなく言えるのはウィズコロナであるということ。1年前のインタビューではアフターコロナの感覚で話していましたが、2022年はウィズコロナが続く1年だと私は思います。飲み薬などが出てきたり、働き方がさらに変わったりと、2021年とはまた違う1年になるとは思いますがウィズコロナであることは間違いなく、そのような環境下でもいかに(IT投資の)需要を取り込めるかが重要かと思います。