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デジタルとグリーンを成長の二本柱に、2022年度からの新中期経営計画に臨む日立製作所。小島啓二社長はこれまでの10年で構造改革の基礎工事を終え、2022年を「成長の10年」の始まりと位置付ける。ITとOT(制御技術)の二刀流を掲げ、社会課題の解決に挑む。

(聞き手は山端 宏実=日経クロステック/日経コンピュータ、グループインタビューなどの内容を基に構成)

小島 啓二(こじま・けいじ)氏
小島 啓二(こじま・けいじ)氏
1982年日立製作所入社。執行役常務CTO兼研究開発グループ長などを経て、2021年6月取締役代表執行役執行役社長兼COO(現職)。(写真:村田 和聡)
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経営トップとして、2021年はどんな年でしたか。

 (半年前の)社長就任会見で、日立は今後10年間、デジタルとグリーンで成長する方針を打ち出しました。これまでは事業構造改革を中心に「基礎工事」に取り組んできた10年間で、2021年はその最終段階です。

 デジタルに関しては、2021年7月に米グローバルロジックを買収しました。さらに、8月に仏タレスの鉄道信号事業の買収を決めました。「鉄道でデジタルを強くする」という一環で決断しました。グリーンについては、2050年度までに日立のバリューチェーン全体でカーボンニュートラルを実現すると宣言しました。

 今は2022年度から始まる次期中期経営計画の策定を進めているところです。大まかなところはデザインし終わり、具体的な数値目標などは2022年春に発表する予定です。

デジタル×グリーンの基盤に

次期中計ではIoT(インターネット・オブ・シングズ)関連の「Lumada」をどう位置付けますか。

 デジタルとグリーンという成長の2本柱は別々のものではありません。この2つに関連するソリューションのほとんどがデジタル×グリーンという形になるはずで、まさにLumadaの出番です。例えば、EV(電気自動車)充電網から収集したデータを分析して、全体を効率良く運用するという具合に、Lumadaという基盤を活用して、デジタルとグリーンを組み合わせたソリューションをどんどん展開するというのが基本的な戦略です。

Lumadaを含め、日立全体の成長を考えるうえで、約1兆円を投じて買収したグローバルロジックとのシナジー(相乗効果)が欠かせません。どのような施策を講じますか。

 グローバルロジックの事業は単独でみても非常に伸びていて、利益率も高い状況です。その点は自信を深めています。日立とのシナジーに関しても、(米子会社の)日立ヴァンタラと一緒に受注を獲得したり、日立エナジー(旧日立ABBパワーグリッド)と連携したりと、海外で成果が出始めています。