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「コンテナ」と呼ぶ仮想化技術を使うと、複雑な構成のサーバーを簡単なコマンドを実行するだけで構築できます。ここでは、コンテナを実現するソフトウエア「Docker」を使い、ブログサーバーの「WordPress」とオンラインストレージサーバーの「Nextcloud」を構築してみましょう。リソースの限られたPCでも軽快に動作します。

 仮想マシンを実現する仮想化技術には、大きく分けて「ハイパーバイザー型」と「コンテナ型」があります。ハイパーバイザー型はハードウエアを丸ごとエミュレートし、コンテナ型はアプリケーションの実行環境だけをエミュレートします。コンテナ型はアプリケーションの実行に必要なプロセスやリソースをコンテナ化して、ほかのプロセスから切り離して実行します。このためハイパーバイザー型よりも処理にかかるオーバーヘッドが少なく、CPUやメモリーの負担も抑えられます。メモリーを4Gバイトしか搭載しないPCでも、複数のコンテナを同時に起動させられます。

 コンテナ型仮想化技術の実行環境として広く普及しているのが、オープンソースソフトウエアの「Docker(ドッカー)」です。「Dockerイメージ」をダウンロードして起動するだけで、Webサーバーなどのサーバー環境が瞬時に立ち上がります。面倒なOSやアプリのインストール作業は必要ありません(図1)。ユーザーコミュニティーやソフトウエアベンダーが作成したDockerイメージが、「Docker Hub*1」と呼ぶリポジトリーからダウンロードできます。2021年11月時点で800万個を超えるイメージが登録されています。

図1 コンテナ型仮想化技術の概要
図1 コンテナ型仮想化技術の概要
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*1 https://hub.docker.com