全1314文字
PR

 2022年は子どもたちの「学び」へのデータ活用に向けた土台をつくる年になる。2021年12月20日時点でデジタル庁は文部科学省、経済産業省、総務省と共同で「教育データ利活用ロードマップ」をまとめている。デジタル庁でデジタルエデュケーション統括を務める慶応義塾大学の中室牧子教授は、自身のデジタル庁における重要な仕事の1つがロードマップの策定だとする。

 政府は2019年12月に小中学校の児童・生徒の「1人1台端末」実現を柱とする「GIGAスクール構想」を発表した。工業社会から情報社会に社会構造が大きく変化したことで、一律一斉型学習から個人に合った個別最適な学びと、対話によって理解を深める協働的な学びが必要になった。教育のデジタル化が避けて通れなくなったのだ。

 文科省によると2021年7月末時点で全自治体の96%超が小中学校などで「1人1台端末」の整備を完了。2021年1月の中央教育審議会の答申では「高校においても1人1台端末が望まれる」とされ、各自治体が整備を進めている。

 ロードマップでは教育のデジタル化のミッションを「誰もが、いつでもどこからでも、誰とでも自分らしく学べる社会」と掲げ、教育のデジタル化を3段階に区分する。

 まずGIGAスクール構想で小中学校での1人1台の端末が配備された状態を「デジタイゼーション」と位置付ける。次の段階が、ICTをフル活用して学習者主体の教育に転換し、教職員が子どもたちと向き合える環境を整備する「デジタライゼーション」。最後の3段階目が、デジタル社会を見据えた教育の在り方についての「DX(デジタルトランスフォーメーション)」で、教育制度を根本から見直す必要がある。

図 政府の教育デジタル化の進め方
図 政府の教育デジタル化の進め方
デジタイゼーションからデジタライゼーションに(出所:デジタル庁の資料を基に日経コンピュータ作成)
[画像のクリックで拡大表示]

 2021年にデジタイゼーションをほぼ終え、2022年はデジタライゼーションに進むとみられる。これを進めるには、子どもたちに関するデータの範囲や品質、組み合わせを拡充する必要がある。ロードマップではそのためのルール、利活用環境、連携基盤などについて論点を整理している。