ドイツBosch(ボッシュ)は2022年1月4日(米国時間)、テクノロジー見本市「CES 2022」で、人工知能(AI)を活用し、初期のぜんそくなど子供の肺疾患を呼吸音から早期に検出するセンサーを開発すると発表した。国際宇宙ステーション(ISS)のシステムの異常検知に使われている音響AI「SoundSee」を応用する。
ボッシュは米国で保険や医療を手掛けるHighmark Health(ハイマークヘルス)と共同で、小児科医療の診断ツールとして音響AIを研究している。子供の正常な呼吸音を音響AIで学習し、呼吸の変化を検出する。異常がある場合、早期治療などにつなげる。
ボッシュは25年までにすべての製品にAIを搭載する、または製造過程でAIを活用する目標を掲げている。このほか、AIを活用した製品の例としてガスセンサーを紹介した。ドイツDryad Networks(ドライアドネットワークス)が提供する森林火災を検知するセンサーに組み込まれている。
ドライアドネットワークスのセンサーは、木に取り付けて使う。周囲の気候を継続的に測定することで、火災を早期発見し、現地当局に無線で通知する。ボッシュによると森林火災は地球の年間の二酸化炭素(CO2)排出量のうち、20%を占める。これは地球上のすべての自動車、船舶、航空機の排出量の合計に匹敵し、センサーによりCO2削減に貢献できる見通しだ。