米Qualcomm(クアルコム)はテクノロジー見本市「CES 2022」開幕の前日にあたる2022年1月4日(米国時間)、プレスカンファレンスを開催し、自社製品や各種取り組みを紹介した。中でも時間を割いて説明したのが自動車分野である。コックピット向け製品がホンダの車両に採用されることやアルプスアルパインとの提携、4nm世代という先端プロセスで作製するSoC(System on a Chip)を軸にしたADAS(先進運転支援システム)・自動運転向け製品などをアピールした。
クアルコムは、自動車向け製品プラットフォーム(基盤)「Snapdragon Digital Chassis」の拡販に注力している。同製品はコネクテッドやインフォテイメント、ADASなどに向けた半導体製品群で構成する。プレスカンファレンスに登壇した同社社長兼CEO(最高経営責任者)のCristiano R. Amon(クリスティアーノ・アモン)氏は、フランスのルノーグループとの協業を拡大し、同社の次世代車両に同製品基盤が採用されることを明らかにした。ルノーの採用はあくまで全体の一部であり、同基盤を含むクアルコムの自動車向け製品群として、受注額は130億米ドルに達するという。同社の自動車向けビジネスの好調ぶりをアピールした。
アモン氏は、Snapdragon Digital Chassisプラットフォームのうち、コックピット向け半導体製品「Snapdragon Cockpit Platform」の第3世代品が、ホンダの車両に採用されることも明らかにした。この車両は、22年後半から米国で、23年に世界で販売される見込みという。
スウェーデンVolvo Cars(ボルボ)ともコックピット分野で提携し、同社が22年に販売を開始する車両にSnapdragon Cockpit Platformを搭載するという。クアルコムとボルボは、各種演算処理を高速化するソフトウエア技術の開発でも協業する。