全714文字
PR

 1台で血圧測定のついでに心電図も記録する――。オムロン ヘルスケアは血圧測定と心電図記録を同時にできる「心電計付き血圧計」を日本で2022年度にも発売する準備を進めている。米国では2019年から医療機器として販売しているものだ。同社はラスベガスで開催中のテクノロジー見本市「CES 2022」に心電計付き血圧計をオンライン出展した。

心電計付き血圧計で測定している様子。機器の上にスマホを設置して使う。1分ほどで血圧と心電図が記録された。
心電計付き血圧計で測定している様子。機器の上にスマホを設置して使う。1分ほどで血圧と心電図が記録された。
(撮影:日経クロステック)
[画像のクリックで拡大表示]

 毎日の血圧測定が習慣になっている高血圧患者の心電図を同時に記録することで、不整脈の1種である心房細動の早期発見につなげる。心房細動は脳梗塞を引き起こすリスクがある。だが自覚症状のないことが多く、健康診断でも見つけにくいのが現状だ。心房細動がある人の50~60%は高血圧であることや、高血圧の人の10~20%は心房細動を有するとの報告もある。

 心電計付き血圧計は両手の指先で電極に触れるタイプの心電計と、カフを腕に巻く上腕式血圧計を一体化したものだ。電極に触れる際、前かがみになって腹圧がかかると血圧測定に影響してしまう。無理のない姿勢で測定できる本体の形状や電極の位置を模索したという。利用者は機器上面の電極に親指を、側面の電極に人さし指をあてて心電図を記録する。記録した心電図波形をスマートフォンのアプリが分析し、心房細動の可能性があるかどうかメッセージを表示する。