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 オムロン ヘルスケアは2022年1月5日(米国時間)、テクノロジー見本市「CES 2022」で、同社がグローバル展開している遠隔診療サービスの治療効果を公表した。19年から米国で提供している高血圧患者向けの遠隔診療サービス「VitalSight」の使用により、患者の約42%が使用開始1カ月後に血圧値が改善したという。英国やシンガポールで進める遠隔診療サービス「Hypertension Plus」や「HEARTVOICE」の展開状況も説明した。

 VitalSightは、高血圧患者に血圧測定キットを配布。通信機能付きの血圧計や体重計と連携し、家に居る患者の血圧などを医療従事者が診療できるサービスだ。測定データはインターネット経由で担当の医療従事者に送信され、患者の状態をタイムリーに把握できる。医療従事者は、患者の状態に応じた治療が可能になる。

 通院時のみの測定よりもサンプル数が増えるため、血圧変動の傾向を詳しく把握でき、治療効果を上げやすい。65歳以下の高血圧患者66人を対象にした血圧値推移を調べたところ、約42%に当たる28人がサービス使用開始1カ月後に血圧値が改善したという。「患者の生活習慣の改善にもつながりやすい」(オムロン ヘルスケアのJeff Ray氏)ことも要因の1つとみられる。

1カ月後に約42%、3カ月以降に約45%の患者の改善を確認したという
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1カ月後に約42%、3カ月以降に約45%の患者の改善を確認したという
(出所:オムロン ヘルスケア)