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針による採血なしで血糖値を測定する――。ベンチャー企業のクォンタムオペレーション(東京・中央)は米ラスベガスで開催中のテクノロジー見本市「CES 2022」で血糖測定センサーを内蔵したウエアラブル端末の試作機を展示した。
ウエアラブル端末は腕時計型で、本体の背面に赤外線を発するLEDと光を受けるフォトダイオードを搭載している。赤外線が血中のグルコースに当たった際の吸光度合いを検出することで、1デシリットル(dL)あたりのグルコース量を測定する仕組みだ。
血中のたんぱく質などグルコース以外も赤外線を吸収するため、グルコースの吸光度合いを検出する際どうしてもノイズが発生してしまう。「ノイズの発生が少ない光の波長を選んでいることに加え、ノイズを除去するプログラムに強みがある」とクォンタムオペレーションの加藤和磨代表取締役CEOは話す。同社は2022年の夏頃までに実証実験を始め、試作機の改良を進める。2024年から2025年にかけて日本を含むアジアや米国での医療機器の認証・承認の申請を目指す。